レポートTDB景気動向調査2025年07月(北海道ブロック:道東・日胆)

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.7

-0.2

4カ月ぶりに悪化

・概況

『北海道』の景気DIは、4カ月ぶりに悪化した。企業からは「観光客がまだ増加している」(飲食料品卸売)という状況が聞かれた一方で、「物価高で買い控え傾向が強い」(農・林・水産)、「仕事量は出ているが、人手不足や資材高騰などの原因により、受注が難しい状況」(建設)、「大規模イベントには昨年並みの人出が見込めるが、物価高が続き、日常での消費活動が伸びてこない」(飲食料品卸売)といった声が寄せられる。トランプ関税を懸念材料にあげる企業も少なくない。北海道の景況感は今後も一進一退の状況が続くとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.2pt減の43.7となり、4カ月ぶりに悪化した。全国(42.8)との格差(北海道-全国)は0.9と縮小したが、3カ月連続で『北海道』が全国を上回った。道内では「道東」が前月比1.5pt減の40.6、「日胆」が同0.4pt増の43.4となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.7pt減の44.4となり4カ月ぶりに悪化した。「中小企業」は同横ばいの43.5。そのうち「小規模企業」は同0.6pt減の44.5となり、5カ月ぶりに悪化した。規模間格差(大企業-中小企業)は0.9となり、前月から1.7pt縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中6業界が悪化した。悪化幅が最も大きいのは『農・林・水産』で、前月比10.8pt減の36.4となった。『運輸・倉庫』は同4.2pt減の43.2で2カ月ぶりに悪化。一方、『小売』は同1.7pt増の42.0となり、2カ月連続で改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」45.3(前月46.2)、「6カ月後」44.2(同45.8)、「1年後」43.2(同44.2)となり、全ての指標で悪化した。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の「3カ月後」と、『運輸・倉庫』の「3カ月後」、「6カ月後」が景気判断の分かれ目となる50以上となった。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.6

-1.5

4月以来の悪化(道東)

・概況

企業からは「原材料、電力光熱費の高騰」(製造)、「鮮魚がほとんど水揚げされていない」(水産)、「公共工事の減少」(建設)といった厳しい状況がある一方で、好調なサービス業については、「観光客増加によるホテルリネンサプライ需要の増加」(サービス)といった声もある。物価高、人材不足といった経営課題が重くのしかかる中で、業種や企業規模による格差が拡がっている懸念もあり、道東の景況感は一進一退の状態が続くとみられる。

・景気DI

2025年7月の「道東」の景気DIは40.6で前月比1.5ポイント後退した。『北海道』(43.7)との格差は同▲3.1ポイントで1.3ポイント広がった。また、『全国』(42.8)との格差(道東-全国)は▲2.2ポイントと1.6ポイント広がった。

・規模別DI

いずれも悪化し、「大企業」(42.3)は前月比3.9ポイント下落、「中小企業」(40.3)は同1.3ポイント下落、うち「小規模企業」(41.7)も同2.1ポイント下落した。規模間格差(大企業-中小企業)は同2.0ポイントと縮小した。

・業界別DI

9業界中、改善は『サービス』(50.0)が前月比+5.0ポイント、 『小売』(44.0)が同+2.8ポイント、 『卸売』(37.5)が同+1.6ポイントとなった。悪化は残り6業界。景気判断の分かれ目となる50以上となったのは『不動産』(54.2)と『サービス』(50.0)の2業界であった 。

・先行き見通しDI

「3カ月後」41.2(前月44.8)、「6カ月後」40.4(同44.3)、「1年後」39.6(同42.1)と、いずれも悪化した。『北海道』『全国』との比較においても「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.4

0.4

5カ月連続で改善(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは5カ月連続で改善した。企業からは「仕事量が多い」(建設)といった状況が聞かれた一方で、『農・林・水産』の企業からは「乳価は上がったが、今後の為替がどうなるかわからない」といった警戒の声が寄せられた。次世代半導体工場の進出や大規模データセンターの建設などを抱える日胆のDIは全国を上回る水準となっている。その一方で、人手不足や物価高、金利上昇、トランプ関税などの複合的な懸念材料もあり、日胆の景況感は今後も緩やかな改善、または横ばい傾向で推移するとみられる。

・景気DI

2025年7月の「日胆」の景気DIは、前月比0.4ポイント増の43.4となり、5カ月連続で改善した。『全国』(42.8)との格差(日胆-全国)は0.6となり、2カ月連続で日胆が全国を上回った。『北海道』(43.7)との格差(日胆-北海道)は▲0.3となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比横ばいの61.1となった。「中小企業」は同0.6ポイント増の41.7で2カ月連続の改善。そのうち「小規模企業」は同4.1ポイント減の41.7となり5カ月ぶりに悪化した。規模間格差(大企業-中小企業)は19.4で、前月から0.6ポイント縮小した。

・業界別DI

比較可能な6業界中3業界が改善した。改善幅が最も大きいのは『サービス』で、前月比8.4ポイント増の41.7となり2カ月ぶりに改善した。『製造』は同0.4ポイント増の48.5で3カ月ぶりに改善。一方、『建設』は同9.8ポイント減の45.8となり2カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.0(前月46.8)、「6カ月後」44.4(同45.7)、「1年後」43.4(同44.6)となり、全ての指標で悪化した。業界別では『建設』の全ての指標と『農・林・水産』の「6カ月後」・「1年後」、『不動産』と『製造』の各「3カ月後」が50以上の水準を示した。

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