レポートTDB景気動向調査2025年06月(北海道ブロック:道東・日胆)

2025/07/03
景気動向  アンケート

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.9

0.5

3カ月連続で改善

・概況

『北海道』の景気DIは、3カ月連続で改善した。企業からは「特に札幌ではイベント開催があり気候も良く観光客の姿が目立った」(金融)という声が寄せられた一方で、「工事量は確保されているが、資材価格高騰、施工技能者の不足などの要素がある」(建設)、「土産需要などは好調だが、水産原料の急激な価格高騰により収益が圧迫されている」(飲食料品・飼料製造)といった状況も聞かれる。トランプ関税、中東情勢、物価高などを懸念材料として先行きの不透明感を訴える企業もあり、北海道の景況感は横ばい傾向が続くとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.5ポイント増の43.9となり、3カ月連続で改善した。全国(42.7)との格差(北海道-全国)は1.2と拡大し、2カ月連続で『北海道』が全国を上回った。道内では「道東」が42.1、「日胆」が43.0となり、いずれも前月から改善した。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.2ポイント増の46.1となり2カ月連続で改善した。「中小企業」は同0.6ポイント増の43.5、そのうち「小規模企業」は同1.8ポイント増の45.1となり、いずれも4カ月連続で改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は2.6となり、前月から0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中5業界が改善した。『農・林・水産』は前月比12.0ポイント増の47.2となり、2カ月ぶりに改善し、2024年9月以来9カ月ぶりに40を上回った。『運輸・倉庫』は同7.2ポイント増の47.4で3カ月ぶりに改善。『製造』は同1.4ポイント減の40.0となり、4カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.2(前月45.9)、「6カ月後」45.8(同45.7)、「1年後」44.2(同44.7)となった。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の全ての指標と、『運輸・倉庫』の「3カ月後」と「6カ月後」が景気判断の分かれ目となる50を上回った。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.1

2.2

2カ月連続の改善(道東)

・概況

「道東」の景気DIは42.1と2カ月連続で改善し40を超えた。企業からは「食品メーカーの設備投資意欲は衰えておらず当面は現在の受注があると思われる」(建設)、「エアコンの特需」(建設)、「ふるさと納税の好調に伴う地域の活性化」(製造)などの景気DIを押し上げた要因がうかがえる声がある一方で「水揚げがどの漁業種類を見ても、例年と比べて低迷している」(水産)といった主力産業の厳しい状況も確認される。企業規模や業種による格差が拡がっている懸念もあり、道東の景況感は一進一退の状態が続く可能性が高い。

・景気DI

2025年6月の「道東」の景気DIは42.1で前月比2.2ポイント改善し、2カ月連続の改善となった。『北海道』(43.9)との格差(道東-北海道)は▲1.8で同1.7ポイント縮まった。『全国』(42.7)との格差(道東-全国)は▲0.6と同2.1ポイント縮まった。

・規模別DI

「大企業」(46.2)は前月比2.6ポイント下落、「中小企業」(41.6)は同3.2ポイント改善した。うち「小規模企業」(43.8)も同5.2ポイント大きく改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は同5.8ポイントと縮小した。

・業界別DI

9業界中、悪化は『不動産』(56.7)が前月比▲6.6ポイント、 『卸売』(35.9)が同▲5.1ポイント、 『製造』(33.3)が同▲1.3ポイントとなった。改善は残り6業界。景気判断の分かれ目となる50以上となったのは『不動産』(56.7)と『農・林・水産』(50.0)の2業界であった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.8(前月41.5)、「6カ月後」44.3(同41.3 )、「1年後」42.1(同41.0)。「3カ月後」「6カ月後」「1年後」いずれも改善した。『北海道』『全国』との比較では、「3カ月後」のみ『全国』を上回った。『北海道』に対してはいずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.0

1.1

4カ月連続で改善(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは4カ月連続で改善した。企業からは「乳価が上がる」(農・林・水産)といった声が聞かれた。また、日胆地域外からも「ラピダスのおかげで千歳周辺の景気が良くなってきている様子がうかがえ、夏場を迎えた頃から札幌にも伝わってくるのではないかという、希望的観測も含めて先行きの見通しを『やや良い』とした」(飲食料品卸売)という期待感が寄せられた。業界間、規模間で格差が目立つ日胆の景況感は今後も踊り場局面が続くとみられる。

・景気DI

2025年6月の「日胆」の景気DIは、前月比1.1ポイント増の43.0となり、4カ月連続で改善した。『全国』(42.7)との格差(日胆-全国)は0.3となり、2024年10月以来8カ月ぶりに日胆が全国を上回った。『北海道』(43.9)との格差(日胆-北海道)は▲0.9となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.8ポイント増の61.1となり、3カ月連続で改善した。「中小企業」は同1.3ポイント増の41.1で2カ月ぶりに改善。そのうち「小規模企業」は同4.1ポイント増の45.8となり4カ月連続で改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は20.0で、前月から1.5ポイント拡大した。

・業界別DI

7業界中3業界が改善、3業界が悪化、1業界が横ばいとなった。『農・林・水産』は前月比16.7ポイント増の50.0と2カ月連続で改善し、景気判断の分かれ目となる50以上となった。『建設』は同2.7ポイント減の55.6で悪化したが、50を上回る水準を維持した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.8(前月47.6)、「6カ月後」45.7(同44.3)、「1年後」44.6(同43.8)となり、「6カ月後」と「1年後」が改善した一方で、「3カ月後」は悪化した。業界別では『農・林・水産』『建設』の全ての指標と『製造』の「3カ月後」と「6カ月後」が50以上の水準を示した。

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