レポートTDB景気動向調査2025年05月(北海道ブロック:道東・日胆)

2025/06/04
景気動向  アンケート

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.4

1.4

2カ月連続で改善

・概況

『北海道』の景気DIは、2カ月連続で改善した。企業からは「不動産賃貸業だが、入居状況は良好に推移している」(不動産)という声がある一方で、「道内土木業界は相応の受注が確保されているが、人件費や資材の高騰により利益は減少傾向にある」(建設)、「コメの価格上昇も相まって、全てのモノの値上げイメージが非常に強く、消費行動に影響している」(飲食料品・飼料製造)といった状況も聞かれる。トランプ関税への警戒感を示す企業もあるなか、北海道の景況感は今後も一進一退で推移するとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比1.4ポイント増の43.4となり、2カ月連続で改善した。全国(42.6)との格差(北海道-全国)は0.8ポイントとなり、2024年9月以来8カ月ぶりに『北海道』が全国を上回った。道内では「道東」が39.9、「日胆」が41.9となり、いずれも前月から改善した。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.8ポイント増の45.9となり3カ月ぶりに改善した。「中小企業」は同1.1ポイント増の42.9、そのうち「小規模企業」は同0.6ポイント増の43.3となり、いずれも3カ月連続で改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は3.0となり、前月から1.7ポイント拡大した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中5業界が改善した。『不動産』は前月比10.5ポイント増の54.2となり、3カ月ぶりに改善し、景気判断の分かれ目となる50を上回った。『サービス』は同1.9ポイント増の45.0となり、3カ月ぶりに改善。一方で、『運輸・倉庫』は同0.7ポイント減の40.2となり、2カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」45.9(前月44.5)、「6カ月後」45.7(同44.5)、「1年後」44.7(同42.7)となり、全ての指標が改善した。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の全ての指標が50を上回った。一方で、『農・林・水産』の「6カ月後」と「1年後」は40を下回った。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.9

2.4

2カ月ぶりの改善だが、30台は脱せず(道東)

・概況

「道東」の景気DIは39.9と前月比で改善、前年同月(36.3)を上回ったが、依然として30台の推移となった。企業からは「販売単価の上昇など少しずつ回復の兆しが見えてきたが、依然として生産費用の高止まりの影響を受けている」(農・林・水産)、「全体的に水揚げが不安定」(農・林・水産)、「公共工事の新築物件がない」(建設) といった景気の改善傾向に対して懐疑的な声も聞かれる。 物価高・人材不足の深刻化など懸念材料は多く、道東の景況感は一進一退の状況が続くとみられる。

・景気DI

2025年5月の「道東」の景気DIは39.9で前月比2.4ポイント改善し、2カ月ぶりの改善となった。『北海道』(43.4)との格差は▲3.5ポイントで1.0ポイント圧縮された。『全国』(42.6)との格差(道東-全国)は▲2.7ポイントとなった。

・規模別DI

「大企業」(48.8)は前月比9.1ポイントと大きく改善、「中小企業」(38.4)も同1.2ポイント改善に転じた。うち「小規模企業」(38.6)も同1.4ポイント改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は10.4ポイントと大幅に拡大した。

・業界別DI

「その他」を除く9業界中、悪化は『サービス』 (35.4)が前月比▲5.3ポイント、 『運輸・倉庫』(27.8)が同▲3.2ポイント、 『金融』 (41.7)は同▲1.6ポイントとなった。改善は残り6業界。景気判断の分かれ目となる50を超えたのはDIが最も高かった『不動産』(63.3)のみだった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」41.5(前月40.5)、「6カ月後」41.3(同40.2)、「1年後」41.0(同38.1)。「3カ月後」「6カ月後」「1年後」いずれも改善した。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.9

0.7

3カ月連続で改善(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは3カ月連続で改善した。企業からは「円安で資材が高騰したままである」(農・林・水産)、「印刷用紙の販売が特に悪く、回復の兆しが見えない」(紙類・文具・書籍卸売)といった状況が聞かれる。「他の地域よりは良いと思うが、停滞感がある」(建材・家具、窯業・土石製品製造)といった声も聞かれるなか、物価高の影響などによる消費マインドの低下に対する警戒感を示す企業もある。今後の日胆の景況感は踊り場局面が続くとみられる。

・景気DI

2025年5月の「日胆」の景気DIは、前月比0.7ポイント増の41.9となり、3カ月連続で改善した。『全国』(42.6)との格差(日胆-全国)は▲0.7となり、前月から0.8ポイント縮小。『北海道』(43.4)との格差は▲1.5となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比8.3ポイント増の58.3となり、2カ月連続で改善した。「中小企業」は同0.5ポイント減の39.8で3カ月ぶりに悪化。そのうち「小規模企業」は同2.4ポイント増の41.7となり3カ月連続で改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は18.5で、前月から8.8ポイント拡大した。

・業界別DI

7業界中3業界が改善、3業界が悪化、1業界が横ばいとなった。『建設』は前月比12.5ポイント増の58.3と2カ月ぶりに改善し、景気判断の分かれ目となる50を上回った。『サービス』は同3.4ポイント増の36.7と、3カ月ぶりに改善。一方、『卸売』は同3.3ポイント減の36.7と2カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」47.6(前月44.6)、「6カ月後」44.3(同44.6)、「1年後」43.8(同42.2)となり、「3カ月後」と「1年後」が改善した一方で、「6カ月後」は悪化した。業界別では『農・林・水産』『建設』の全ての指標と、『製造』の「3カ月後」が50以上の水準を示した。

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