■中国ブロック
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
41.4 | 0.0 | 前月から横ばい、先行き懸念続く |
・概況
『中国』の景気DIは前月から横ばいの41.4となった。資材高や労務費の上昇に加え、建築基準法の改正が重なる『建設』は2カ月連続で悪化し、40割れに近づいた。『運輸・倉庫』は3カ月連続で悪化し、2022年8月以来、40を下回った。また、輸出関連産業を中心に関税の影響を受ける『製造』は3カ月連続で悪化し、2021年5月以来、37を下回った。米や調味料、加工食品を中心に物価上昇が再燃するなか、多くの業界がトランプ関税の影響を受け始めている。不確実性の高い状態が続き、景気は後退局面に近づいている。
・景気DI
『中国』の景気DIは前月から横ばいの41.4となった。「山口」「島根」「岡山」の3県が悪化した。「全国」(42.6)より1.2ポイント低く、「全国」を6カ月連続で下回った。全国10ブロック別の順位は、前月の5位から6位に後退した。
・規模別DI
「大企業」は前月から横ばいの42.9となった。「中小企業」は前月から横ばいの41.2となった。うち「小規模企業」は1.0ポイント減の39.7となり、4カ月ぶりに悪化して、40を下回った。格差は1.7で前月から横ばいだったものの、「大企業」が「中小企業」を27カ月連続で上回った。
・業界別DI
5業界が改善、5業界が悪化となった。『建設』は前月比2.4ポイント減の40.5となり、2カ月連続で悪化した。悪化幅は大きく、40割れに近づいた。『運輸・倉庫』は2.1ポイント減の38.2となり、33カ月ぶりに40を下回った。『製造』は1.4ポイント減の36.2となり、3カ月連続で悪化した。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は前月比0.4ポイント減の42.7で、横ばいを挟み6カ月連続で悪化した。「6カ月後」は0.3ポイント減の43.1で、2カ月連続で悪化した。「1年後」は0.2ポイント減の43.6で、6カ月連続で悪化した。2カ月連続で3指標がそろって悪化。前年同月比では6カ月連続で3指標がそろって悪化した。
■広島県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
41.4 | 0.8 | 2カ月ぶりに改善 |
・概況
「広島」の景気DIは2カ月ぶりに改善した。前月大きく悪化した『小売』は2カ月ぶりに改善し、40を上回った。一方、『製造』は0.5ポイント増となったが、2カ月連続で40を下回った。また、資材高や労務費の上昇に加え、建築基準法の改正が重なる『建設』は2カ月連続で悪化し、再び40を下回り、この1年間で最も低くなった。米や調味料、加工食品を中心に物価上昇が再燃するなか、自動車をはじめ輸出関連産業を中心に、多くの業界がトランプ関税の影響を受け始めている。不確実性の高い状態が続き景気は後退局面に近づいている。
・景気DI
「広島」の景気DIは前月比0.8ポイント増の41.4となり、2カ月ぶりに改善した。45を下回るのは19カ月連続。前年同月比は、2カ月連続で悪化した。「全国」(42.6)より1.2ポイント低く、6カ月連続で「全国」を下回った。都道府県別の順位は、前月の32位から20位へ上昇した。
・規模別DI
「大企業」は前月比0.3ポイント増の44.4で、2カ月ぶりに改善した。「中小企業」は0.9ポイント増の40.9で、2カ月ぶりに改善した。うち「小規模企業」は1.0ポイント増の40.0で、2カ月ぶりに改善し40を上回った。格差は3カ月ぶりに縮小したが、「大企業」が「中小企業」を24カ月連続で上回った。
・業界別DI
6業界が改善、3業界が悪化、1業界が横ばいとなった。『小売』は前月比3.2ポイント増の41.1となり、2カ月ぶりに改善し40を上回った。『製造』は0.5ポイント増の38.3となったが、2カ月連続で40を下回った。一方で、『建設』は3.3ポイント減の37.2となり、2カ月連続で悪化し、40を下回った。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は前月比1.0ポイント減の41.5となり、2カ月連続で悪化した。「6カ月後」は0.6ポイント増の42.4となり、2カ月ぶりに改善した。「1年後」は0.3ポイント増の42.6となり、6カ月ぶりに改善した。前年同月比では、3指標がそろって4カ月連続で悪化した。
■鳥取県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
41.0 | 0.3 | 3カ月連続改善 |
・概況
「鳥取」は3カ月連続改善となり全国順位も上がった。『サービス』は基準である50を上回っており「3カ月後」は54.2と業界別でトップながらも、「6カ月後」、「1年後」は大幅に悪化した。「原材料の高騰が価格転嫁できず、節約傾向が続けば悪化する」(サービス、中小企業)などの声が聞かれ先行きの懸念がみられる。その他の業界でも価格変動に対する懸念の声が多かった。トランプ関税による影響はまだ少ないものの、先行きに対する警戒感があることを勘案すれば、暫くは一進一退で推移するものとみられる。
・景気DI
「鳥取」は3カ月連続改善の41.0となった。前年同月比も1.7ポイント増となり、全国順位は前月比5ランクアップの24位となった。中国ブロックで前月から改善したのは、「鳥取」と「広島」のみで『中国』は前期並みの41.4となった。『全国』は2カ月連続悪化で前月比0.1ポイント減の42.6となった。
・規模別DI
「大企業」は前月並みの33.3となった一方で、「中小企業」は前月比0.3ポイント増の41.5となり、規模間格差の逆転現象は12カ月連続となった。「うち小規模」は同4.8ポイント減の45.2となったが、前月に続き規模が大きいほど厳しい結果となった。
・業界別DI
前月から改善したのは『金融』、『建設』、『卸売』、『小売』、『サービス』の5業界で、『不動産』、『製造』の2業界が悪化となった。企業数の多い『建設』は4カ月連続改善となったが、その他の業界は一進一退となっている。基準となる50を上回るのは『不動産』、『サービス』の2業界。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は前月比3.4ポイント増の44.1、「6カ月後」は同0.1ポイント増の43.8、「1年後」は同0.1ポイント増の44.9となり、3指標ともに前月から改善となった。『中国』や『全国』も現在より先行きが明るい結果となった。『中国』との比較では3指標ともに「鳥取」が上回る結果となった。
■島根県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
40.6 | -0.6 | 2カ月ぶりに悪化 |
・概況
「島根」の景気DIは2カ月ぶりに悪化した。規模別では4カ月ぶりに「大企業」、「中小企業」、「小規模企業」すべてが悪化となった。業界別でも悪化と改善を繰り返すなど回復の兆しが見えず、最近の「島根」景気DIは一進一退の状況が続く。企業からの声では、「米国の関税引上げにより個人消費への不透明感を増している」(製造)、「米価の高騰により、買取できない業者が出てくる」(卸売)、「物価上昇により旅行への支出減などの影響が出てきている」(サービス)など、先行きへの警戒感を示す声が多い。
・景気DI
「島根」の景気DIは前月比0.6ポイント減の40.6となり、2カ月ぶりに悪化した。中国5県のうち3県が悪化したが、『中国』の景気DIは41.4と前月横ばいとなった。都道府県順位は前年同月18位から30位に後退し、全国(42.6)との比較では2.0ポイント下回り、前月から格差が拡大した。
・規模別DI
「大企業」(41.7)は前月比2.1ポイント減、「中小企業」(40.5)は同0.5ポイント減、「小規模企業」(40.4)も同0.2ポイント減となり、すべての規模で悪化した。「大企業」と「中小企業」の格差は1.2ポイントとなり、規模間格差は前月に引き続き縮小する結果となった。
・業界別DI
前月と比較可能な集計対象8業界中、3業界が改善、4業界が悪化、1業界で横ばいとなった。前月改善した『小売』、『運輸・倉庫』が大幅に悪化したほか、『サービス』は2カ月連続の悪化となった。『製造』はわずかに改善したものの、9カ月連続で30台にとどまり、回復を見通すには依然厳しい状況が続く。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は43.9(前月42.9)、「6カ月後」は43.1(前月44.1)、「1年後」は43.4(前月44.4)と、目先の「3カ月後」は改善したものの、「6カ月後」、「1年後」は前月に続き悪化した。全国(44.1、44.5、45.1)比較では3指標すべてが下回り、先行きの不透明感が強まっている。
■岡山県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
42.4 | -0.1 | 5カ月連続で悪化 |
・概況
「岡山」の景気DIは、前月比小幅ながら減少し、5カ月連続の悪化となった。輸出関連産業を中心に、トランプ関税の影響を受ける『製造』は3カ月連続で40を下回ったほか、燃料費の高止まりやドライバー不足などの改善が進まない『運輸・倉庫』も40を下回った。前月26カ月ぶりに50を下回った『サービス』は3カ月ぶりに改善して50台を回復した。二転三転する関税政策によって多くの業界が影響を受けており、米中の貿易戦争の再燃は国内外の景気減速要因となることが懸念される。景気回復には今しばらく時間を要するであろう。
・景気DI
「岡山」の景気DIは、前月比0.1ポイント減の42.4となり、5カ月連続で悪化した。『中国』は「広島」「鳥取」が改善し、前月比横ばいとなった。『全国』より0.2ポイント低く、2カ月連続で『全国』を下回ったが、「岡山」の47都道府県別順位は前月15位から14位に上昇、中国5県では1位を維持した。
・規模別DI
「大企業」は前月比1.5ポイント減の41.7となり3カ月連続で悪化した。「中小企業」は同0.1ポイント増の42.5となり5カ月ぶりに改善したが、うち「小規模企業」は同0.2ポイント減の39.3となり3カ月ぶりに悪化した。「大企業」の悪化幅が大きく、13カ月ぶりに「大企業」が「中小企業」を下回った。
・業界別DI
9業界中、「悪化」が5業界、「改善」が4業界だった。『建設』『不動産』は2カ月連続、『製造』は3カ月連続の悪化となったほか、『運輸・倉庫』は2カ月ぶりに悪化した。一方で、『卸売』は3カ月連続で改善、前月大きく悪化した『小売』はやや持ち直した。また、『サービス』は3カ月ぶりに改善して50台を回復した。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は前月比0.2ポイント減の43.2となり、4カ月連続で悪化した。「6カ月後」は同0.2ポイント増の43.2となり、4カ月ぶりに改善した。「1年後」も同0.2ポイント増の43.6となり、4カ月ぶりに改善した。足元は厳しい状況に変わりはないが、「6カ月後」「1年後」はやや改善傾向がみられた。
■山口県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
40.9 | -1.2 | 2カ月連続の悪化 |
・概況
「山口」の景気DIは40.9と前月比1.2ポイント、2カ月連続で前月比悪化、6カ月連続で前年同月を下回った。都道府県順位は27位と前月比8ランク低下し、2022年4月以来の20位台後半となった。『全国』42.6に比べ1.7ポイント低く、2カ月連続で『全国』を下回った。規模別DIでは小規模になるほどDIは厳しく、先行きDI、業界別DIは、業種による濃淡が強まっている。また、山口県内の企業からは、物価高や燃料費高騰、トランプ関税への不安や受注環境の悪化という声も増えており、その情勢を注視したい。
・景気DI
「山口」の景気DIは40.9と前月比1.2ポイント、2カ月連続で前月比悪化を示し、都道府県順位は27位と前月比8ランク低下した。『全国』42.6に比べ1.7ポイント低く、2カ月連続で『全国』を下回った。また、6カ月連続で前年同月を下回っており、この傾向は続いている。
・規模別DI
「大企業」が前月比2.3ポイント改善の44.0、「中小企業」は同1.7ポイント悪化の40.5、「小規模企業」は同4.2ポイント悪化の37.6と、「中小企業」および「小規模企業」の悪化が目立つ結果となった。「大企業」と「中小企業」の差は3.5で2カ月ぶりに「大企業」が上回った。
・業界別DI
主要業界では、『サービス』は2カ月連続、『小売』は2カ月ぶり、『卸売』は4カ月ぶりに前月比改善を示したが、『建設』は2カ月連続、『製造』は7カ月連続、悪化するなど、業種によるばらつきが大きくなっている印象である。
・先行き見通しDI
3カ月後が42.9(前月45.1)、6カ月後は43.9(同46.4)、1年後も44.9(同46.1)と2カ月連続で全ての期間で前月比悪化を示した。業界別では『小売』が全ての期間で改善したが、『建設』『製造』『サービス』が全ての期間で悪化となるなど、業種による濃淡が強まっている。