レポートTDB景気動向調査2025年04月(四国ブロック:徳島・香川・愛媛・高知)

2025/05/07
景気動向  アンケート

■四国ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.6

-1.8

9カ月ぶりの40割れ

・概況

『四国』の景気DIは、9カ月ぶりに40を下回った。企業からは「米不足で需要を満たすほど販売できないが、値上げで過去最高益になりそうだ」(小売、愛媛県)など好況な声が聞かれる一方で、「トランプ関税の影響が懸念される」(金融、香川県)や「資材価格や人件費などのコストアップが利益を圧迫している状態で、今のところ打開策がない」(サービス、高知県)などの声がある。コストアップによる利益水準の低迷や、トランプ関税の影響が不透明であることから、当面の景気DIは40前後での推移が続くとみられる。

・景気DI

『四国』の景気DIは前月比1.8ポイント減の39.6となり、4カ月ぶりに悪化したほか、9カ月ぶりの40割れとなった。県別では、「徳島」「香川」「愛媛」「高知」の4県すべてで悪化した。また、『全国』(42.7)を52カ月連続で下回り、全国10ブロック別の順位は9位(前月7位)に後退した。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.3ポイント減の43.3となり2カ月連続で悪化、「中小企業」は同1.8ポイント減の39.0となり2カ月ぶりに悪化、うち「小規模企業」は同1.2ポイント減の37.4となり3カ月ぶりに悪化した。22カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回ったが、格差は4.3ポイントに縮小した。

・業界別DI

主要7業界では、『不動産』『サービス』が改善、『建設』『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が悪化。前月から悪化した業界が多いなかで、『建設』『サービス』が40台を維持したものの、『製造』は10カ月ぶり、『運輸・倉庫』は2カ月ぶりにそれぞれ40割れとなるなど、業界間の格差が続いている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.6(前月42.4)、「6カ月後」は41.8(同42.5)、「1年後」は41.9(同43.5)となり、4カ月ぶりに3指標が揃って悪化した。3指標がいずれも40台前半であることや、前年同月との比較では3指標が5カ月連続で揃って悪化しており、先行きに対する期待感が薄れつつある。

■香川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.6

-1.9

3カ月ぶりの悪化

・概況

「香川」の景気DIは、3カ月ぶりに悪化した。企業からは「大手だけでなく、中小企業からの注文量は先月と比べても多くなっている傾向がある」(農・林・水産)など好況な声が聞かれる一方、「トランプ関税の影響が懸念される」(金融)や「物価の高騰と最低賃金の上昇が利益面に影響している」(卸売)などの声がある。コストアップによる利益水準の低迷や、トランプ関税の影響が不透明であることから、景気DIは一進一退での推移が続くとみられる。

・景気DI

主要7業界では、『不動産』『サービス』が改善、『建設』『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が悪化。前月から悪化した業界が多いなかで、『サービス』が2カ月連続で50台を維持したものの、『運輸・倉庫』は前月比13.3ポイントの大幅悪化となり、1年ぶりの40割れとなるなど業界間の格差が続いている。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.0ポイント減の44.4で2カ月ぶりの悪化、「中小企業」は同1.7ポイント減の42.2で3カ月ぶりの悪化、うち「小規模企業」は同2.5ポイント減の38.6となり、2年ぶりの40割れとなった。6カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回ったものの、格差は2.2ポイントに縮小した。

・業界別DI

主要7業界では、『不動産』『サービス』が改善、『建設』『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が悪化。前月から悪化した業界が多いなかで、『サービス』が2カ月連続で50台を維持したものの、『運輸・倉庫』は前月比13.3ポイントの大幅悪化となり、1年ぶりの40割れとなるなど業界間の格差が続いている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.6(前月44.9)、「6カ月後」は43.8(同44.5)、「1年後」は43.6(同45.2)となり、4カ月ぶりに3指標が揃って悪化した。3指標はいずれも40台前半であり、「1年後」は前年同月比5カ月連続で悪化したほか、「6カ月後」を下回るなど、先行きに対する期待感が薄れつつある。

■徳島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

36.0

-2.6

4カ月ぶりに悪化

・概況

徳島の景気DIは、4カ月ぶりに悪化、14カ月連続で40を下回った。2025年1月以降、緩やかな改善傾向が続いていたものの、ここにきて悪化に転じた。先行き見通しDIも、3指標が揃って悪化したほか、「1年後」は2カ月ぶりに40を下回っており、先行きへの不透明感も増した。背景には、米国の関税政策や、米中貿易摩擦などがみられる。企業からも、「米国の関税政策により日本全体の景気が悪くなる可能性がある」(サービス)といった米国の関税政策を危惧する声が増えた。徳島県の景況感は、当面厳しい状況が続きそうだ。

・景気DI

「徳島」の景気DIは前月比2.6ポイント減の36.0となり、4カ月ぶりに悪化した。前年同月との比較では3.8ポイント減となり、こちらは2カ月ぶりの悪化となった。『全国』(42.7)との比較では6.7ポイント低く、全国を下回るのは40カ月連続となった。都道府県別の順位は46位(前月42位)だった。

・規模別DI

「大企業」(40.0)は前月比5.8ポイント減で2カ月連続の悪化。「中小企業」(35.7)は同2.4ポイント減で2カ月ぶりの悪化、うち「小規模企業」(33.3)は同3.4ポイント減で同じく2カ月ぶりの悪化とった。「大企業」が50を下回るのは2カ月連続。中小企業が40を下回るのは14カ月連続。

・業界別DI

主要7業界では、『運輸・倉庫』『サービス』が改善、『建設』『不動産』『製造』『卸売』『小売』が悪化した。『サービス』(37.5)は2カ月連続で改善。『建設』(46.2)は3カ月ぶりに悪化、『製造』(35.4)は2カ月連続で悪化した。『不動産』(16.7)は3カ月ぶりに20を下回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は36.2(前月比2.6ポイント減)、「6カ月後」は38.4(同0.9ポイント減)、「1年後」は39.7(同1.8ポイント減)となった。3指標が揃って悪化するのは4カ月ぶり。「3カ月後」は12カ月連続、「6カ月後」は6カ月連続で40を下回った。「1年後」は2カ月ぶりに40を下回った。

■愛媛県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

-1.0

2カ月ぶりに悪化

・概況

「愛媛」の景気DIは、2カ月ぶりに悪化した。「値上げで利益は過去最高になりそう」(飲食料品小売)といった前向きな声がある一方で、『製造』『卸売』は落ち込みが顕著となっており、特に『製造』は先行き見通しも大幅な悪化となっている。理由としては、物価高騰に加え、トランプ関税や2月末に発生した大型倒産の影響懸念などが挙げられており、引き続き一進一退の推移が続くとみられる。

・景気DI

「愛媛」の景気DIは前月比1.0ポイント減の40.0となり、9カ月連続で40台を維持したものの、2カ月ぶりに悪化した。『全国』も下落したが、相対的に下落幅が大きかったことから、県別順位は35位と前月(31位)より下落した。

・規模別DI

「大企業」「中小企業」うち「小規模企業」がいずれも悪化した。「中小企業」と「小規模企業」は再び40ポイントを下回る水準となった。「中小企業」の下落幅が大きかったことから、規模間格差(大企業-中小企業)は5.1ポイントと拡大した。

・業界別DI

回答数が10社を超える5業界中3業界が悪化した。『小売』『サービス』が改善し、いずれも40を上回ったものの、悪化が続いていた『建設』『製造』が連続して悪化し、前月まで改善を見せていた『卸売』も悪化した。特に『製造』は5カ月連続の悪化で、35.9と極めて低い水準となり、深刻な状況がうかがえる。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が前月比0.6ポイント減、「6カ月後」が同0.3ポイント増、「1年後」が同0.7ポイント減と前月とは対照的な動きとなった。業界別では『建設』が全ての期間で大幅に改善している一方で、『製造』が全ての期間で大幅に悪化した。

■高知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.1

-2.7

2カ月ぶりに悪化

・概況

「高知」の景気DIは、前月比2.7ポイント減の37.1となり、2カ月ぶりに悪化した。「ペットケアが全般的に好況」(製造)など、一部の業種によっては明るい声が聞かれるものの、一方で「資材高騰、物価高、世界情勢不安」(建設)、「燃料費の高騰により利益が減少」(サービス)、「物価高騰により資材関連全ての価格が上昇」(サービス)など、引き続き物価高や資材高にともなう負担増や需要低迷を懸念する声も多く、景況感の悪化に繋がっているものとみられる。

・景気DI

「高知」の景気DIは、前月比2.7ポイント減の37.1となり、2カ月ぶりに悪化したほか、5カ月連続で40を下回った。一方で、『全国』(42.7)を5.6ポイント下回ったほか、『四国』(39.6)を2.5ポイント下回り、全国順位は前月の38位から44位に低下した。

・規模別DI

「大企業」は37.5と前月(43.3)から5.8ポイント低下したほか、「中小企業」は37.1と前月(39.4)から2.3ポイント低下した。なお、「小規模企業」については35.8と前月(34.2)から1.6ポイント上昇した。「大企業」と「中小企業」の格差は0.4ポイントで、前月から縮小した。

・業界別DI

前月と比較可能な7業界中、「改善」が1業界となったのに対して、「横ばい」が2業界、「悪化」が4業界となった。業界別にみると、『卸売』が前月から改善した一方で、『金融』『運輸・倉庫』が横ばいとなり、『建設』『小売』『サービス』『製造』が各々悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は37.4(前月40.9)と前月を下回ったほか、「6カ月後」も39.2(前月42.1)と前月を下回り、また「1年後」についても40.1(前月43.3)と同じく前月を下回ることとなった。

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