レポートTDB景気動向調査2025年04月(北海道ブロック:道東・日胆)

2025/05/07
景気動向  アンケート

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.0

0.3

7カ月ぶりに改善

・概況

『北海道』の景気DIは、7カ月ぶりに改善した。企業からは「工事が安定的にあり忙しい状況が続いている」(建設)、「インバウンドの観光客が多い」(飲食料品卸売)といった声が寄せられる。一方で、「同業者でも関わる工事の種類で忙しさにかなり差が出ている」(建材・家具、窯業・土石製品製造)といった状況や「トランプ関税の影響が計り知れない」(旅館・ホテル)という先行きに対する懸念の声も聞かれる。依然として人手不足や物価高、消費マインド低下への警戒感は高く、今後も北海道の景況感は一進一退で推移するだろう。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.3ポイント増の42.0となり、7カ月ぶりに改善した。全国(42.7)との格差(北海道-全国)は▲0.7ポイントとなり、前月から1.1ポイント縮小した。道内では「道東」が37.5、「日胆」が41.2となり、全体としてDIは一進一退の推移となっている。

・規模別DI

「大企業」は前月比横ばいの43.1となった。「中小企業」は同0.4ポイント増の41.8、そのうち「小規模企業」は同1.1ポイント増の42.7となりいずれも2カ月連続で改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は1.3で前月から0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中5業界が改善した。最もDIが高いのは『建設』で、前月比1.0ポイント増の46.2となり3カ月連続で改善した。『小売』は同3.0ポイント増の38.6となり、4カ月ぶりに改善。一方で『不動産』は同5.6ポイント減の43.7となり、2カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.5(前月44.5)、「6カ月後」44.5(同45.0)、「1年後」42.7(同43.9)となり、「3カ月後」が前月比横ばいで他の2指標は悪化した。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の「1年後」が唯一、景気判断の分かれ目となる50以上の水準を示した。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.5

-1.3

1月以来の悪化(道東)

・概況

「道東」の景気DIは1月以来の悪化となった。企業からは「生産単価の上昇など少しずつ回復の兆しが見えてきた」(農・林・水産)、「北見市が財政難を表明しており、地元の景気は悪い」(建設)、「物価高と国内外の政情が不安定で先行きが見通せない中で、消費行動が消極的になっている」(製造)という声が聞かれる。先行きに関しても、米国の相互関税政策を背景に景気後退懸念が強まっている上、さらなる物価高・人材不足の深刻化を受けて道東の景況感は落ち込む可能性も否定できず、当面の間は足踏み状態が続くと思われる。

・景気DI

2025年4月の「道東」の景気DIは37.5で前月比1.3ポイント後退し、1月以来の悪化となった。『北海道』(42.0)との格差は同▲4.5ポイントで、1.6ポイント拡大した。『全国』(42.7)との格差(道東-全国)は▲5.2ポイントと拡大した。

・規模別DI

「大企業」(39.7)は前月比0.4ポイント改善したが、「中小企業」(37.2)は同1.6ポイント悪化。うち「小規模企業」(37.2)も同1.3ポイント悪化。規模間格差(大企業-中小企業)は2.5と拡大した。

・業界別DI

9業界中、改善は前月比2.2ポイント増の『卸売』(36.7)を筆頭に『金融』『農・林・水産』の3業界。『製造』は横ばいで、悪化はそれ以外の5業界となった。景気判断の分かれ目となる50を超えた業界はなかった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」40.5(前月41.2)、「6カ月後」40.2(同42.4)、「1年後」38.1(同40.6)と、いずれも悪化した。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.2

1.5

2カ月連続で改善(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは2カ月連続で改善した。企業からは「乳価が上がる見込み」(農・林・水産)、「大型の物件が多い」(建設)といった声が聞かれる一方で、「燃料価格や原価の高騰・高止まりによる消費者の節約、買い控え」(専門商品小売)を懸念する声もあがる。「消費税減税のような政策が打ち出されないと、市場に動きが出ないのではないか」(家具類小売)という意見もあるなか、今後も日胆の景況感は一進一退で推移するとみられる。

・景気DI

2025年4月の「日胆」の景気DIは、前月比1.5ポイント増の41.2となり、2カ月連続で改善した。『全国』(42.7)との格差(日胆-全国)は▲1.5となり、前月から2.3ポイント縮小。『北海道』(42.0)との格差は▲0.8となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比5.6ポイント増の50.0、「中小企業」は同1.1ポイント増の40.3、そのうち「小規模企業」は同2.6ポイント増の39.3となり、全ての規模が改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は9.7で、前月から4.5ポイント拡大した。

・業界別DI

7業界中2業界が改善、4業界が悪化、1業界が横ばいとなった。『製造』は前月比3.4ポイント増の51.7となり、3カ月ぶりに景気判断の分かれ目となる50を上回った。『小売』は同10.4ポイント増の35.4と、4カ月ぶりに改善した。一方、『建設』は同4.2ポイント減の45.8と、2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.6(前月44.6)、「6カ月後」44.6(同44.1)、「1年後」42.2(同41.2)となり、「3カ月後」が横ばいで他の2指標は改善した。業界別で見ると、「3カ月後」では『建設』と『製造』が50を上回る水準となった。

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