レポート富山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」の発生倍率は全国5位の高水準 ~ 「倒産」と「休廃業・解散」ともに前年比増加 ~

はじめに

帝国データバンク富山支店がまとめた富山県企業倒産集計によると、2019年(1~12月)の「倒産」件数は前年比20.3%増の71件と、2年連続で増加した。また、2014年以降で初めて70件を上回るなど倒産動向に変化が生じている。

「倒産」とともに、経済的損失の大きさがクローズアップされているのが「休廃業・解散」だ。企業経営者の高齢化が進むなか、産業構造や働き方の変化などによりスムーズに事業承継が進展せず、事業継続を断念せざるを得ないケースも散見されている。

帝国データバンク富山支店は、富山県に本店を置き、「休廃業・解散」に至った事業者(法人、個人含む)を集計。「倒産」件数との比較や、代表者年代別、業種別、業歴別に傾向を分析した。

■本調査は経営実体が確認されていた企業の休廃業・解散を対象に集計

■「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。調査時点では当該企業の活動停止を確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない

■「解散」とは、主に商業登記等で解散を確認した場合を指し、経営実体のない登記整理(「みなし解散」等)は含まない

調査結果

  1. 2019年の「休廃業・解散」件数は319件と、前年比31.3%(76件)増となり2年ぶりに増加した。休廃業・解散率は全国5位の高水準。「休廃業・解散」と「倒産」双方の件数がいずれも増加したのは2009年以降では初めて
  2. 代表者年齢が判明した268件の代表者年代は「70代」(構成比41.0%)が最多。「60代」と「80代以上」を合算した『60代以上』の合計構成比は78.7%と、2009年以降では2014年の80.8%に次ぐ高水準となった
  3. 業種別では「建設業」(構成比32.0%)が最多で、「小売業」(同18.5%)、「サービス業」(同16.0%)が続いた。また、卸売業が前年比38.7%と大幅増加した
  4. 業歴別では「30年以上50年未満」が唯一の90件台(98件)。業歴「100年以上」の老舗企業の構成比増加が顕著となっており、技術や伝統、ブランドの承継が課題となっている
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