はじめに
2018年10月上旬に最低賃金が改定された。九州・沖縄地区(以下、九州)の8県では、福岡県の814円(+25円)を最高額として、鹿児島県は761円(+24円)、その他6県は762円(+25円)と、最低賃金が時給で決まるようになった2002年度以降、各県とも3年連続で20円以上の引き上げとなり、引き上げ額・率ともに過去最高となった。日本全体で見れば、家計所得増加による消費喚起に期待が寄せられているが、人件費上昇に直面する企業にとっては大きな負担になる。
そこで、帝国データバンク福岡支店は、最低賃金改定に関する企業の取り組み状況や見解について、九州に本社を置く企業を対象に調査を実施した。なお、本調査は「TDB景気動向調査」(2018年9月調査)とともに行ったもので、最低賃金改定に関する調査は2016年9月以来、2年ぶり。
調査期間は2018年9月13日~9月30日、調査対象は1838社で、有効回答企業数は696社(回答率37.9%)。全国調査分から九州の企業を抽出・分析した。
調査結果
- 最低賃金の改定を受けて自社の給与体系を「見直した(検討している)」企業の割合は53.2%と、全国(44.0%)を9.2ポイント上回り、全国10ブロックの最高に。前回調査(2016年)からも12.5ポイント増加した
- 従業員採用時の最低時給は平均924円。業界別では『金融』が1033円で最高、『小売』が881円で最低。800円台の『製造』『農・林・水産』では給与体系を「見直した(検討している)」企業の割合が6割を上回るなど、底上げを図る動きがみられた
- 最低賃金の引き上げ額について「妥当」と回答した企業の割合が49.9%にのぼり、「高い」(11.2%)を大きく上回った。「妥当」と回答した企業の割合は前回調査から4.1ポイント増加
- 最低賃金の引き上げによる今後の消費回復効果を「ある」と回答した企業は12.4%にとどまった。全国10ブロックでトップながら、懐疑的な見解が大半を占めた
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