レポート栃木県「女性社長」分析調査(2021年)

女性社長比率は7.8%、伸び悩む ~ 「同族継承」による就任が最多、創業者は増加傾向 ~

はじめに

生産年齢人口の減少を背景に、政府では外国人、高齢者とともに「女性」の社会進出を成長戦略の中核に据えてきた。その一環として、国や自治体、金融機関や経済団体などを中心に女性起業家の担い手作り・活躍の場を広げる施策を打ち出している。経済のシュリンクを防ぐ意味でも、女性社長の増加は必要不可欠であり、独特の感性や施策の立案などは、「新しい経営者像」として期待も大きい。栃木県内の女性社長の実態はコロナ禍のなかどんな影響が出ているのか…非常に興味深いところだ。

帝国データバンク宇都宮支店では企業概要データベース「COSMOS2」をもとに、栃木県内企業18,441社(2021年4月現在)の社長データを抽出し、女性が社長(代表)を務める企業について分析を行った。県内企業の調査は2020年8月に続き6回目。


■なお、集計対象は「株式会社」「有限会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」である

調査結果

  1.   2021年4月時点における栃木県内企業の女性社長の割合は、前年同値の7.8%であった。実数は18,441社中1,430社、占有率はここ数年伸展傾向を示していたが、コロナ禍の影響もあってこの1年間は伸び悩む結果となった
  2.   県内の女性社長比率を業歴別でみると、企業が設立されてから「10年未満」が13.6%でトップ。次いで「10~19年」が9.7%、「20~29年」が9.0%で続き、業歴が浅い企業で女性社長比率が高い傾向がみられる
  3.   女性社長の年代構成をみると、「70~74歳」が16.5%で最も割合が高い。平均年齢は63.7歳(前年比+0.3歳)で、女性社長企業の63.3%が60歳以上だった。就任経緯別では「同族継承」が55.4%で過半数を占め、男性社長の同割合(46.6%)を8.8ポイント上回っている
  4.   直近1年間の新任女性社長比率を年代構成別でみると、「40~44歳」、「45~49歳」、「50~54歳」及び「65~69歳」が各16.1%でトップとなった。40代から50代前半が就任時期のピークであるようだ。就任経緯では、「同族継承」が51.6%で最も割合が高く、「創業者」は25.8%と増加傾向は示したものの、3割に満たない
  5.   女性社長比率が高い業種は、「不動産管理業」28.2%で最多、以下「貸家業」27.1%、「老人福祉事業」21.7%、「旅館業」20.7%などが上位を占めた
詳細はPDFをご確認ください

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