レポートTDB景気動向調査2024年4月(近畿ブロック・概要)

景気DI

前月比

今月の特徴

43.7

0.1

2024年問題が影を落としながらも、 2カ月連続で改善

概況

「大企業」の景況感改善が一服。円安を追い風に輸出企業を中心として改善傾向が続いていたが、1ドル=150円を超える水準での推移が続くなか、輸入コスト増などマイナス面の影響が出始めている。2024年問題や深刻化する人手不足への対応も迫られ、自動車や半導体関連の生産回復など改善効果が打ち消された格好だ。「値上げ済みのため、再三の値上げ要求を受け入れてもらうのは容易でない」(化学品製造、兵庫県)など、特に「中小企業」から価格転嫁の困難さを訴える声が多く聞かれており、景気は当面、足踏み状態が続く見通しだ。

景気DI

『近畿』は前月比0.1ポイント増の43.7と、2カ月連続で改善した。全国(44.1、同0.3ポイント減)との格差は依然としてマイナス圏ながら、ブロック別順位は『東海』を抜いて3位へ浮上。府県別では、ダイハツ工業の生産一部再開を受けて「滋賀」が5カ月ぶりに改善し、「兵庫」も4カ月ぶりに改善した。

規模別DI

「大企業」(前月比1.3ポイント減)が3カ月ぶりに悪化したのに対し、「中小企業」(同0.2ポイント増)は2カ月連続で改善。前月に過去最大となった規模間格差は4.7ポイントに縮小したが、それでも4ポイントを上回る高水準となっている。なお、「小規模企業」(同0.3ポイント増)は4カ月ぶりに改善した。

業界別DI

10業界中7業界が改善した。インバウンド需要を追い風に『サービス』『不動産』が3カ月連続で、また、自動車生産の一部再開を受けて『製造』は5カ月ぶりに改善した。他方、悪化したのは、2024年問題が直撃する『建設』『運輸・倉庫』などで、『サービス』のうち「医療・福祉・保健衛生」も2カ月連続で悪化した。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.2ポイント減)、「6カ月後」(同0.1ポイント減)、「1年後」(同0.8ポイント減)の3指標とも3カ月ぶりに悪化した。悪化の理由は、円安による採算悪化への懸念が大勢を占めるが、インバウンド需要のさらなる拡大への期待から「京都」は3指標、「和歌山」では1年後を除く2指標が改善した。

「近畿ブロック(2024年4月)」の詳細