はじめに
人口減少が現実のものとなり、中小企業の事業承継が社会的な問題として認識されつつあるなか、政府も対策に乗り出し始めた。経済産業省の推計によれば、後継者問題等による中小企業の廃業が急増することで、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるという。政府・与党は2018年度の税制改革において、事業承継に関わる税制優遇措置を拡大する方針であるとされ、今後10年近くをかけて、集中的にこの問題に取り組む姿勢を見せている。
帝国データバンク福岡支店では、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)および信用調査報告書ファイル「CCR」(170万社収録)から、九州・沖縄地区(以下、九州)に本社を置き、2015年以降の後継者の実態について分析可能な3万2200社(全業種)を対象に、後継者の決定状況などの後継者問題について調査した。
本調査は、2016年6月に続く2回目。
調査結果
- 九州企業の60.7%が「後継者不在」。割合は前回調査から0.8pt増加し、過去最高に
- 後継者不在企業の割合(以下、「後継者不在率」)の特徴
・県別では沖縄県(84.3%)が全国トップ。大分県(67.3%)など4県が6割超え
・業種別では不動産業(67.0%)など5業種が6割超え
・社長年齢別では40歳代以上の区分で年齢の上昇とともに減少する傾向が見られた。『60歳以上』の後継者不在率は43.8%
・売上高規模別では売上高の増加につれて減少する傾向が見られた - 現社長の就任経緯が「創業者」「買収」、後継候補者は子供の割合が4割を超え、非同族者の割合が低位にとどまる傾向がある
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