レポート価格転嫁に関する道内企業の実態調査(2024年7月)
価格転嫁率、過去最高の48.9%、5.0ポイント上昇も業界間で格差目立つ~ 全く転嫁できない企業は約1割 ~

2024年上半期の全国の物価高倒産は484件発生[1]した。過去最多のペースで増加しており、企業収益の改善には価格転嫁をいかにスムーズに進められるかが喫緊の課題となっている。中小企業庁は2024年8月2日、受注側の中小企業から見た価格交渉のしやすさや価格転嫁の現状についての評価を、発注側企業ごとに公開した[2]。評価の低い企業に対して大臣名で指導や助言を実施していくなど、政府全体で価格転嫁の促進を後押ししている。
一方で、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、最低賃金の引き上げも控える人件費の負担増など、企業を取り巻く環境は厳しい状況が続いている。コスト上昇分すべてを商品・サービスへ転嫁することが望ましいと分かっていても、国内消費の動向などを鑑みると慎重な姿勢を取らざるを得ない声も多い。
そこで、帝国データバンク札幌支店は、現在の価格転嫁に関する道内企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2024年7月調査とともに行った。
- 調査期間は2024年7月18日~31日、調査対象は道内1,149社で、有効回答企業数は517社(回答率45.0%)
[1] 帝国データバンク「全国企業倒産集計2024年上半期報」(2024年7月5日発表)
[2] 中小企業庁「価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査の結果について(2)」(2024年8月2日発表)
調査結果(要旨)
- 自社の商品・サービスに対しコストの上昇分を『多少なりとも価格転嫁できている』企業の割合は77.4%、「全く価格転嫁できない」は10.1%だった
- 価格転嫁率は48.9%と前回調査(2024年2月)から5.0ポイント上昇しつつも、依然として5割以上を企業が負担
- 業界別の価格転嫁率は、『卸売』(64.3%)が6割を超え、『建設』(52.5%)、『製造』(50.1%)が5割を上回った
詳細は以下のPDFをご覧ください
20240919_価格転嫁に関する道内企業の実態調査(2024年7月).pdf

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