レポート

栃木県内企業の価格転嫁に関する実態調査(2024年2月)

県内企業の価格転嫁率39.6%、一進一退 ~ 「全くできていない」11.8%、「8割以上転嫁」18.1% ~

はじめに

3月25日に連合栃木が発表した春闘における「第1回回答結果」の集計によれば、栃木県内企業の平均賃上げ率は5.44%となり、順調な賃上げ交渉が行われているようだ。経済の好循環という論点では確かに歩みを進めている感はあるが、部分的には未だ深刻な課題を抱えていることは否めない。まず、物価高が全く解決しておらず、特にエネルギー価格の高止まりによって、企業の製造原価やサービス原価の上昇を余儀なくされ、利益を圧迫し続けている。これに加えて、人件費の高騰を加味すれば、中小企業の収益はどうなっていくのか・・・。
この解決策とされるのが、「価格転嫁」になるのだが、国が主導し適正な価格での取引を推奨しながらも、“価格転嫁に応じない企業”が名前を公表される事態も散見され、この施策の実行は決して容易ではないことがわかる。さらに、昨年秋以降は、景況感も芳しくない状況にあり、価格転嫁がどこまで進捗しているのか、非常に興味深いところである。
そこで、帝国データバンク宇都宮支店は、県内企業の価格転嫁の実態について調査を実施し、見解をまとめた。価格転嫁に関するレポートは2023年7月に次いで4回目である。


■調査期間は2024年2月15日~29日、調査対象は栃木県内企業377社で、有効回答企業数は144社(回答率38.2%)
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している

調査結果

  1.   8割強の企業で多少なりとも価格転嫁できている。価格転嫁率は39.6%と一進一退
    自社の主な商品・サービスにおける、コスト上昇分の販売価格・サービス料金への転嫁について、『多少なりとも価格転嫁できている』栃木県内企業は80.6%で価格転嫁率は39.6%であった。2023年7月調査時の44.1%と比較すると、4.5ポイント下落していることが分かった。さらに、「すべて転嫁できている」企業はわずか6.3%、「全く価格転嫁できない」企業は11.8%と、企業間で大きな格差があり、深刻な企業も散見される状況だ。
  2.   『卸売』で価格転嫁が進むも、『運輸・倉庫』『サービス』では低水準
    主要6業種の価格転嫁の状況をみると、価格転嫁率が高いのは『卸売』(55.9%)や『小売』(44.2%)。他方で、『運輸・倉庫』(19.2%)、『サービス』(25.3%)などでは低水準である。業態や品目、サービスの内容によって、格差はかなり大きい


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