はじめに
2020年の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、幅広い業界・企業がかつてない打撃を受けた。帝国データバンクの調査では、同年の景気が悪化したと捉えた九州・沖縄地区における企業の割合が東日本大震災発生直後の2012年以来8年ぶりに5割超の水準に達するなど、多くの企業にとって厳しい1年だったと言える。こうした中、鹿児島県企業の「休廃業・解散」に関しては、564件と直近5年間(2016-20年)では最多件数となった。
一方で、日本経済が急激に収縮するなか、2020年度の鹿児島県における企業倒産はコロナ禍以前を下回る43件(前年比35.8%減、67件)となり、低水準で推移した。これまで景況感に概ね連動してきた企業の休廃業・解散件数も、当初は急激な景気悪化に耐え切れず市場退出を強いられる企業が急増するとみられたが、官民一体の手厚い経済支援が奏功してその発生が抑制されたとみられる。
■帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計
■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称
■調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある
■2020年より一部集計対象・基準を変更し、16年までの推移について遡り集計した
調査結果
- 2020年に鹿児島県で休廃業・解散を行った企業(個人事業主を含む)は564件(前年比1.4%増)、対「倒産」倍率に関しては10.8倍となった
- 代表者年代別では、60代以上で88.2%を数えた。対して30歳未満に関しては0%が近年続いているが、30代に関しては0.4%と少数ながら若年層の経営者に関しても休廃業・解散を余儀なくされる結果となった
- 業種別では、「建設業」(99件)が最も多く、「サービス業」(72件)、「小売業」(61件)、「卸売業」(26件)、「不動産業」(26件)と続いた。「建設業」では土木工事業(造園工事業を除く)(16件)が最多件数となった
- 市区群別では、鹿児島市(267件、前年比1.1%増)が最多だった。霧島市(36件)、大島郡(27件)、鹿屋市(26件)、姶良市(25件)と続いた
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