はじめに
10月1日に東京都と沖縄県で「暴力団排除条例」(暴排条例)が施行され、これにより全都道府県で「暴力団排除条例」が施行されることになった。条例施行により、暴力団と関係があったり、暴力団へ利益を提供するなどした企業の社名公表や行政処分が全国で相次いでおり、公表されたことなどで取引を打ち切られて破たんする企業も出てきた。企業にとって、暴排条例への対応はコンプライアンス(法令遵守)上、重要な経営問題の一つになりつつある。
帝国データバンク(TDB)は、暴排条例の認知度や暴力団など反社会的勢力への対策、行政への要望について調査した。調査期間は2011年10月19日~31日。調査対象は全国2万2924社で、有効回答企業は1万746社(回答率46.9%)。
なお、同様のアンケートをしたのは今回が初めて。
調査結果(要旨)
回答のあった1万746社のうち、
(1)暴力団排除条例について、暴力団排除条例の内容を「知っている」と回答した企業は8413社(構成比78.3%)となった。
(2)暴力団排除条例の施行にあわせ、「原則、契約書へ暴排条項を入れることにしている」と回答した企業は1789社(構成比16.6%、複数回答、以下同)にとどまる一方で、「当面具体的対策を取る予定は無い」と回答した企業は4151社(同38.6%)となった。
(3)暴力団など反社会的勢力等に「不当な利益供与を要求された」企業は997社(構成比9.3%、複数回答、以下同)となった。
また、「既存取引先が後になって反社会的企業であることが判明した」ことがある企業が235社(同2.2%)あった。
なお、暴力団からの要求が「特に無い」と回答した企業は8913社(同82.9%)だった。
(4)行政に望むことについては、「相談窓口の設置」が5883社(構成比54.7%、複数回答、以下同)、「警察や関連組織主導の対策組織の立ち上げ」が5386社(同50.1%)となった。
一方、「行政に望むことはない」とした企業も、778社(同7.2%)あった。

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