レポート2025年はどうなる?予定される「主な出来事10選」を紹介

2024/12/27
景気動向  コラム

情報統括部 情報統括課
主任研究員 石井ヤニサ

2024年も残すところあと1週間を切りました。

今年を振り返ると、能登半島地震をはじめ、豪雨など国内で相次ぎ発生する自然災害が大きな影響を及ぼしました。加えて、今夏の平均気温は昨年と並んで統計開始後で最高となり、その後も厳しい残暑が続くなど、とりわけ災害と気象に関する出来事が多い一年となりました。

また、日本銀行がマイナス金利を解除し17年ぶりの利上げに踏み切ったほか、衆議院議員総選挙で二大政党が政権交代した2009年以来15年ぶりに与党が過半数割れとなったこと、米大統領選挙でトランプ氏が当選したことなど日本経済に影響を与え得るさまざまな変化も訪れました。

そうしたなか、日経平均株価がバブル期に付けた史上最高値を更新し、「失われた30年」が終焉するという論調が飛び交っていたほか、賃上げ率の過去最高の更新、フランス・パリで開かれた夏季五輪における日本勢の獲得メダル総数、金メダル数のいずれも海外開催では過去最多となったことなど、明るい話題もみられました。

さて、来年はどのような年になるのでしょうか?予定されている10の主な出来事・イベントを以下にあげます。


 【1月】米大統領就任式(20日)、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ政権が発足

 【2月】ドイツでおよそ20年ぶりとなる解散総選挙が実施

 【3月】マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」が運用開始

 【3月】読売新聞社が国内に上場する333銘柄で構成する「読売株価指数(読売333)」を創設

 【4月】大阪府夢洲で「大阪・関西万博」が開幕(4月13日~10月13日)

 【7月】参議院議員の任期が満了。参議院議員通常選挙がそれまでに実施予定

 【9月】東京・国立競技場で「世界陸上競技選手権大会」が開催

 【10月】マイクロソフト社のWindows 10およびOffice 2016の延長サポートが終了

 【11月】東京で耳の聞こえない、聞こえにくいアスリートのための国際的なスポーツ大会「夏季デフリンピック競技大会」が開催

10【12月】従来の健康保険証が有効期限切れ


また、2025年は多面的な法改正や制度の施行が予定されています。4月には育休取得状況の公表義務対象の拡大などを含む「育児介護休業法等の改正法」や、希望者全員への65歳まで雇用機会の確保が義務化される「高年齢者雇用安定改正法」などといった雇用に関連する改正法が施行される予定です。

新築住宅の省エネ基準への適合義務化など「改正建築基準法・建築物省エネ法」や、「東京都カスタマーハラスメント防止条例」も施行が控えているほか、6月には原発の60年超の運転期間を可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が施行される予定です。法改正で企業にはさまざまな対応が求められますが、より良い社会の構築と経済の発展への効果が期待されます。

他方で、2025年には日本の人口の約5人に1人が75歳以上の後期高齢者となり、社会保障の負担増や労働力人口の減少などいわゆる「2025年問題」が生じるほか、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れによって予想される2025年以降の経済損失を総称して「2025年の崖」も控えています。

加えて、物価上昇の継続が懸念されるほか、米新政権の経済政策の行方や中東情勢などリスク要因も複数ありますが、来る年もそれらを乗り越え、明るい話題で溢れる一年であることを願うばかりです。

20241227_主観客観