はじめに
2021年は東北における地銀再編の動きが活発化した年となった。5月に青森県内の「青森銀行」と「みちのく銀行」が、7月に「荘内銀行」(山形)と「北都銀行」(秋田)の持株会社である「フィデアホールディングス」(宮城)と「東北銀行」(岩手)が、それぞれ経営統合に向けた協議入りを発表。10月には、各県トップバンクである「秋田銀行」と「岩手銀行」が包括業務提携を締結することを発表した。この動きの背景には東北の少子高齢化が全国に比べて深刻化するなど、経営環境の悪化に対する危機感の表れとも言えよう。
一方で、コロナ禍において金融機関の役割が重要であることが再認識され、金融機関はコンサルティングなどの貸出業務以外の役割を、企業を含めた地域経済からますます求められている。また、企業にとっても金融機関と密接な関係を持つことで成長のきっかけとなる可能性が高まっていると言えよう。
帝国データバンク仙台支店では、2021年10月末時点の企業概要データベースCOSMOS2(全国147万社収録、特殊法人・個人事業主含む)から、宮城県内の企業(約2万4200社)がメインバンクと認識している金融機関について抽出し集計した。なお、同調査は2020年12月に次いで12回目。
■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有している企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数とは異なる。また、1企業に複数のメインがあるケースでは、当該企業が最上位として認識している金融機関をメインバンクとして集計した
調査結果
- 宮城県内の企業約2万4200社のうち、各企業がメインバンクとして認識している金融機関で最も多かったのは、七十七銀行(仙台市)の1万3591社で、シェア55.94%
- 上位8行まで仙台銀行(仙台市)、杜の都信金(仙台市)を含めた地元金融機関が占め、県外トップは9位の北日本銀行(盛岡市)
- 主要業種別でも七十七銀行がすべて1位。上位3行は「その他産業」(農林水産等)以外七十七銀行、仙台銀行。杜の都信金の順、「その他産業」には農協や漁協が上位に
- 売上規模別でも七十七銀行がすべて1位。「50億円以上」は、メガバンク3行含む県外金融機関が上位10行中8行占める

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