景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
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43.3 | ▲ 1.0 | 2カ月連続で悪化、 「中小企業」に向かい風 |
概況
折からの物価高に加え、再燃した円安進行によって製造・仕入れコストが上昇。人手不足に起因する賃上げなどで労務コストも上昇しており、コスト吸収力の差から「大企業」と「中小企業」で景況感に大きな開きが生じている。先行きについては「半導体製造装置関連部材の受注が復活する見通し」(化学品製造)といった声があるほか、円安を追い風にしたインバウンド増大や、万博の開催などにも期待が寄せられるものの、景気の本格回復には「中小企業」の価格転嫁率の向上がカギを握るとみられ、当面は一進一退の状況が続く見通し。
景気DI
「大阪」はこの1年ほど、44を前後する推移が続いている。『近畿』では4カ月連続で6府県のトップをキープしたものの、当月は前月比1.0ポイント減の43.3と、2カ月連続で悪化。都道府県順位は前月と変わらずの13位ながら、3カ月ぶりに全国(43.5、同0.6ポイント減)の水準を下回った。
規模別DI
円安の進行を受けて、「大企業」(前月比0.6ポイント増)が2カ月ぶりに改善したのに対し、「中小企業」(同1.3ポイント減)は2カ月連続で悪化。この結果、規模間格差は6.4ポイントに再拡大。「大企業」に追い風、「中小企業」に向かい風が吹き、「小規模企業」は2023年9月以来8カ月ぶりに40を下回った。
業界別DI
9業界中7業界が悪化した。『サービス』は50台を維持したが、価格高騰で買い控えが見られる『不動産』は4カ月ぶりに50を割り込み、『小売』も失速。『卸売』も40割れ寸前のところまで悪化した。また、2024年問題に直面した『運輸・倉庫』は3カ月ぶりに40を下回り、『建設』は2カ月連続で悪化した。
先行き見通しDI
「3カ月後」(前月比1.0ポイント減)と「1年後」(同0.6ポイント減)が2カ月連続、「6カ月後」(同0.7ポイント減)が6カ月ぶりに、それぞれ悪化した。万博の準備工事やインバウンド受け入れ関連工事が活発な『建設』や、インバウンド増大が期待される『サービス』は、先行き3指標が当月より高い水準にある。