レポート

2008年の世界経済、一段の減速懸念が高まる

2008/01/10

大和

2008年の国内景気は、前半は減速を避けられないものの、後半に入ると回復基調を取り戻すとの見方が広がっている。


これは、サブプライム問題の影響力が低下することで、世界経済が再び成長軌道を取り戻すという見込みによるものだが、この見解は楽観的過ぎる。


サブプライム問題には2つの側面がある。


1つはアメリカ発の世界的金融不安の拡大であり、もう1つは、米国の内需低迷である。
金融不安については、各銀行の経営戦略の立て直しによって落ち着きを取り戻すとみられるが、米国の内需にとって最大の危機を迎えるのが2008年だ。


米住宅価格の上昇は2006年まで続いた。サブプライムローンは一般に当初2年間が低金利に設定されており、その後は急激に上昇する。一部で金利凍結の緊急措置がとられるものの、その恩恵を受けるのは全体の20%にとどまるともいわれ、2008年にローン金利の改定を迎えるローン契約者の多くは、住宅価格が下落し米経済が減速に転じたいま、ローン金利の上昇が破たんに直結する可能性がある。


米経済の影響力低下を指摘したデカップリングの議論が台頭し始めた一方、世界経済はやはり米国が牽引しているというリカップリングが叫ばれている。


中国が成長しているとはいえ、いまだ世界のGDPの3割を占める米国の存在は大きい。その米国GDPの7割は個人消費であり、住宅バブルの崩壊とデフォルトの増大が個人消費全体を下押しするのは避けられないものとみられる。


サブプライム問題は、米国内需の停滞というかたちでその影響が長期化し、北京五輪後の世界経済を一段と冷やすことが懸念される。

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