レポート経済ワンポイント解説(第43回)

2023年度は個人消費が伸び悩む一方で、純輸出が押し上げ要因に。日本経済全体では3年連続のプラス成長

2023/12/22
景気動向

【目次】

■TDB景気動向指数の動向
■TDBマクロ経済モデルに基づく日本経済見通し
■景気トピックス

■TDB景気動向指数の動向

景気は2カ月連続で改善

企業の景況感について、2023年11月のTDB景気動向指数(景気DI)は前月比0.1ポイント増の44.8となり、2カ月連続で改善した(図表1)。

11月は円安傾向が一服。また、日経平均株価が一時バブル崩壊後の最高値を更新するなど、金融市場が安定的に推移した。こうしたなかで、国内景気は大型公共工事を含む建設需要の盛り上がりが幅広い業種へと波及した。また、半導体不足の緩和により自動車生産が堅調だったほか、インバウンドによる宿泊需要は国内景気を下支えする要因となった。

他方、人手不足が引き続き半数を超える企業でみられているほか、中・小規模企業における個人消費関連の弱さは景気の下押し材料となった。

業種別では、堅調な自動車関連や宿泊需要のほか、全国各地で建設需要が盛り上がった。一方で、人手不足や仕入価格の高止まりなど構造的な悪材料は下押し要因としてあげられ、業界間で景況感にバラツキが表れた。

改善した業界に注目すると、『製造』は2カ月連続の改善となった。

TDB REPORT ONLINEログインページへ