レポート栃木県内企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)

2022年に消滅した県内企業867社 ~ 黒字企業の「あきらめ型」廃業が目立つ ~

はじめに

長引くコロナ禍のなかにありながら、2022年の栃木県における企業倒産は113件と、前年比6.6%の減少傾向を示した。ひとえにゼロゼロ融資をはじめとする企業版セーフティネットが機能したことによるものだ。しかし、物価高、ロシアのウクライナ侵攻、為替相場の不安定など、様々な「負の影響」に県内企業は囲まれ、先の見えない不安感に苛まれ、翻弄され続けている点は否めないところだ。経済のシュリンクを防ぐためには、必要十分な企業数が確保され、経済活動が営まれることなくして存続はあり得ない。本来あるべき「健全企業の存続」は重要な課題であり、円滑な経済環境を維持するためにも、今後も注視していく必要があるだろう。

帝国データバンク宇都宮支店では、2022年の「休廃業・解散」の実態を確認することで、栃木経済の担い手である県内企業にどのような変化があったか分析を行った。なお、本調査は2022年1月に続いて11回目。

■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(「みなし解散」は除く)を確認した企業の総称である。調査時点で休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある

調査結果

  1.   栃木県内企業における2022年の「休廃業・解散」企業(個人事業主も含む)は754社、法的整理を行った「倒産」企業113社を含めると、1年間で867社の企業が消滅したことになる。休廃業・解散率は3.50%、1日当たり約2.4社の企業が消滅している。また、「休廃業・解散」した企業の48.7%が「黒字企業」であった。先行きを悲観した「あきらめ型」が目立つ
  2.   業種別では、「建設業」115社で最多、以下「サービス業」80社、「小売業」56社、「製造業」44社と続いた。また、代表者年代別の占有率では、「70代」が40.1%で最多、以下「60代」23.3%、「80代以上」21.1%が続いた
  3.   市郡別での状況は、「宇都宮市」が最多の192件、以下「小山市」71件、「栃木市」66件、「足利市」60件、「佐野市」47社と続いた。休廃業・解散率では、「那須烏山市」が6.08%で最も高く、次いで「矢板市」が5.68%と続いた。逆に少ない方では「真岡市」の2.10%、「下野市」の2.58%といったように市郡別でも濃淡が生じているようだ
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