レポートTDB景気動向調査2023年10月(北関東ブロック・茨城県)

2023/10/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

43

▲ 0.3

2カ月ぶりに悪化

概況

「茨城」の景気DIは43.0、2カ月ぶりの悪化となった。「物価高、円安、賃上げ等により利益確保が難しくなっている」など、中小企業を中心に苦しい台所事情を訴える声が数多く聞かれた。「鉄道会社のキャンペーンやインバウンド消費の回復により、飲食需要、宿泊需要が回復している」といった前向きな意見は依然として少数派。「物価高の影響で消費動向が慎重になっている」などの意見からうかがわれるように、物価高が長引けば企業の設備投資や消費マインドへの影響は避けられない。県内の景況感は一進一退の状況が続くとみられる。

景気DI

「茨城」の景気DIは前月比0.3ポイント減の43.0。9月(43.3)は3カ月ぶりの改善となったが続かず、再び悪化に転じた。今年の3月以降43.0を挟んで一進一退、判断基準である「50」に遠く及ばない状態が続いている。原材料や電気料金などエネルギー価格の上昇、高止まり、人手不足などが悪材料となった。

規模別DI

「大企業」は前月比2.0ポイント増の44.2。「中小企業」は同0.5ポイント減の42.9、「小規模企業」も同0.8ポイント減の43.2。「大企業」が4カ月連続で改善したのに対し、「中小企業」「小規模企業」はそろって悪化。「中小企業」「小規模企業」では価格転嫁が思うように進まず収益確保に苦労している。

業界別DI

『その他』を除く9業界中『運輸・倉庫』『建設』など4業界が悪化。改善したのは『金融』『農・林・水産』など4業界、『不動産』は横ばいであった。悪化幅が大きかった『運輸・倉庫』は燃料価格の高止まりやドライバー不足がマイナス要因。一方、大きく改善した『金融』は茨城DCによる消費の拡大がプラス材料になった。

先行き見通しDI

「3カ月後」「6カ月後」「1年後」の3指標すべてで前月を下回った。3指標すべてで前月を下回ったのは2カ月連続。企業からは「資材価格は値上がりを続け、燃料価格も高いままなのに請負金額は変わらない」「材料の値上がり分すべてを価格転嫁することができない」など、収まる様子のない物価高を懸念する声が聞かれた。

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