はじめに
新型コロナウイルスが感染症法上の第5類となったのが2023年の5月。あれからおよそ1年が経過し、国内経済環境はコロナ禍から脱して通常モードに戻ったといえる。上場企業の決算は2月や3月の企業が圧倒的に多く、コロナ禍の影響をさほど受けずに一年を過ごした企業は業績の急回復が期待されていた。この一年、日経平均株価は過去最高値を付けたのをはじめ、景気回復を予感させる要因はいくつかあったものの、急速な円安や物価高が企業収益を圧迫し、苦しい決算を余儀なくされたところがあるのもまた事実である。
帝国データバンク大宮支店は、埼玉県内に実質本店を置く上場企業(金融業を除く)62社の2023年度(2023年4月~2024年3月)決算について集計し、売上高や経常損益における前年度(2022年度)との比較、分析を行った。
■調査は、2024年3月末時点で上場している埼玉県内に実質本店を置く企業を対象。決算短信等を公表(2024年5月15日公表分まで)した62社の業績を集計した。原則連結ベースの数値で、連結決算を行っていない企業については非連結ベース(■で表記)
調査結果
- 県内上場62社の2023年度連結(一部非連結含む)売上高合計は、5兆6692億5300万円で前年度(2022年度)比6.4%の増収、経常利益合計は、2826億3700万円で同3.1%の減益、当期純利益合計は、1526億1400万円で同9.6%の減益
- 売上高を前年度と比較すると、2023年度決算において増収の企業は47社(構成比75.8%)、減収の企業は15社(同24.2%)
- 経常損益を前年度と比較すると、2023年度決算において経常黒字の企業は54社(構成比87.1%)、経常赤字の企業は8社(同12.9%)
- 経常増益の企業は34社(構成比54.8%)に対し、経常減益の企業は17社(同27.4%)。増益が減益を上回る
- コロナ禍から脱して通常モードに戻り、業績は緩やかに回復基調。当初予想されていた物価高等による損益面でのマイナス影響も結果としては限定的
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先
担当部署
お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 大宮支店 情報部 TEL:048-643-2146 FAX:048-645-7578