レポートレンタカー会社63社の経営実態調査

2008年度収入高合計は6014億5900万円、前年度比2.4%の減少~ 最終損益では4社に1社が赤字 ~

2009/09/29
サービス

はじめに>>

観光・レジャー・ビジネスなど幅広い分野で需要が拡大してきたレンタカー。近年では、自動車の所有や使用に対する意識の変化によって自家用車を所有することのステイタスが低下しており、景気低迷による個人の可処分所得の伸び悩みもあって、レンタカー業界には追い風が吹いていると言われている。国土交通省によると、2008年3月末時点のレンタカー台数は37万6593台と前年(2007年3月末)比2.6%増加している。
しかし、業界への追い風にもかかわらず、参入企業の増加による過当競争でレンタカー各社の収益環境は厳しい状況にあるようだ。
帝国データバンクでは、2009年8月時点の企業概要データベースCOSMOS2から、レンタカー会社のうち2006年度~2008年度(4~3月期)の3期連続で業績が判明している収入高5億円以上の企業63社を分析した。

調査結果>>

2008年度のレンタカー会社63社の収入高合計は6014億5900万円となり、前年度比2.4%の減少となった。減収となった社数は2007年度の11社から29社(構成比46.0%)へと3倍近くに増加している。
また、損益比較ができる47社の当期純利益合計は、規模が突出して大きいオリックス自動車㈱の業績変動による特殊要因から、2007年度の赤字から2008年度には黒字に転じたが、減益となった社数は2007年度の23社から35社(構成比74.5%)へ増加し、4社に3社が減益という厳しい結果であった。さらに、赤字の企業は11社となっており、4社に1社という結果となっている。
「モノを買わない時代=借りて節約するニーズの増加」というレンタカー業界にとっての追い風があるものの、レンタカー会社は過当競争による単価抑制を強いられ、苦しい収益状況となっている。

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