レポート三重県内企業のメインバンク動向調査(2022)
県内メインバンクシェア、百五銀行が45.52%でトップ ~ 上位4位までは地元金融機関、シェア合計83.47% ~
はじめに
2020 年以降、新型コロナウイルス感染拡大により中小企業の経営環境は大幅に悪化。各地の経済を支える地域金融機関の役割が再認識される一方、人口減少、超低金利による貸出金利の低下など金融機関は厳しい経営環境が続くなか、地方銀行を中心に再編の動きが活発化もしている。三重県では2021年5月旧三重銀行・旧第三銀行の合併により誕生した三十三銀行。エリアを少し拡げて東海地区においては2022年10月、愛知県に本店を置く、愛知銀行と中京銀行による持ち株会社「あいちフィナンシャルグループ(FG)」が発足。同県下の地銀統合は戦後初となった。
コロナ禍で疲弊した中小企業への支援が、経営再建や事業承継、取引先の新規開拓など、資金繰りから企業再編・再生へと移ろうなかで、地域金融機関に求められる役割は経営の様々な場面で増している。金融機関によっては実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などで地域密着型の経営を選択する傾向もあるなか、金利以外の魅力度を高めた金融機関が様々な課題を持つ企業から幅広い支持を得る形となり、今後メインバンクのシェアに変化が訪れる可能性がある。
■帝国データバンクでは、2022年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社、三重県内約22000社収録、特殊法人・個人事業主含む)をもとに、企業が「メインバンク」と認識する金融機関を分析した。一企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位として認識している金融機関をメインバンクとした。同調査は2021年12月に続き14回目
■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数と異なる場合がある
調査結果
- 2022年の三重県メインバンク社数トップは「百五銀行」で企業数は9956社(前年から123社増)となり、シェアも45.52%と前年から0.18ポイント上昇。2009年の調査開始以降14年連続のトップとなった。2位には三十三銀行26.13%、3位には桑名三重信金7.00%、4位には北伊勢上野信金4.82%、ここまでのシェア合計で83.47%を占める
- 業種別では、8業種全ての1位を「百五銀行」、2位を「三十三銀行」が占めた。3位には7業種で「桑名三重信金」、1業種で「北伊勢上野信金」がそれぞれを占めた
- 取引先の売上高が10億円未満までは「百五銀行」、「三十三銀行」、「桑名三重信金」が1位から3位までを占める。10億円以上では都市銀行の三菱UFJ銀行が3位にランクイン
- 主要市郡(企業数上位10市郡)では、6市で「百五銀行」が1位、四日市市、鈴鹿市、三重郡で「三十三銀行」、伊賀市で「北伊勢上野信金」がトップ

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