レポートTDB景気動向調査2023年7月(近畿ブロック・兵庫県)

景気DI

前月比

今月の特徴

44.1

▲ 0.4

2カ月連続の悪化、足踏み状態が続く

概況

「滋賀」のDIは2カ月連続で悪化した。企業からは「インバウンドの特需があるものの、国内団体旅行が戻っていない」(サービス)、「個人顧客の値上げへの抵抗が予想以上に大きい」(小売)、「自動車関連の設備投資が鈍化」(卸売)等の声が聞こえる。「来年から始まる働き方改革で、人件費、輸送コスト等が上昇し需要を冷やしかねない」(建設)等、法改正への対応も課題となる。人手不足、原材料高等の悪化要因が解消できないことに加えて、消費の弱さも意識され始めており、県内の景気は当面足踏み状態が続くとみられる。

景気DI

「滋賀」のDIは44.1と、前月比0.4ポイント悪化した。悪化は2カ月連続で、物価高や長引く人手不足等のマイナス要因に加え、需要の弱さによる影響が表れ始め、DIは昨年8月以来の低い水準となった。近畿ブロック内府県別順位は前月の2位から4位に後退、全国では前月の20位から25位に悪化した。

規模別DI

「大企業」が39.7と前月比3.2ポイント悪化、「中小企業」が44.7と同0.1ポイント、うち「小規模企業」は42.2と同2.2ポイント悪化した。「大企業」の悪化が続き、DIは1年ぶりに40を下回った。「中小企業」も悪化したが、5カ月連続で大企業のDIを上回り、規模間格差の逆転は当面続く見通しである。

業界別DI

8業界中、改善は『運輸・倉庫』『サービス』の2業界にとどまった。これら2業界のDIは「50」を上回り、中でも『サービス』は6カ月続いている。一方『建設』『不動産』『小売』が40を下回り、『建設』は業界別最下位が続く。価格高騰を受けて買い控えがみられるなど需要の弱さが下押し要因となった。

先行き見通しDI

「3カ月後」が46.7(前月46.6)、「6カ月後」が47.0(同46.7)、「1年後」が47.4(同46.9)となり、それぞれ前月から改善した。賃上げによる個人消費の回復、夏の観光等によるプラス要因があるものの、コロナ禍からの回復期待がしぼみ、物価高や人手不足による下押し要因が重荷となっている。

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