レポート熊本県企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)

「黒字」休廃業、過去最低 物価高で企業のあきらめ加速 ~ 2022年は586件、休廃業・解散率最低 ~

はじめに

2022年の熊本県企業倒産は47件発生し前年を僅かに上回り増加に転じた。コロナ禍で減少基調が続いてきたなか、物価高に過剰債務、人手不足といった企業経営を取り巻く「負の影響」に耐え切れなくなり、事業継続そのものを“あきらめる”中小企業の増加が背景にある。

休廃業・解散でも同様に、政府系・民間金融機関による活発な資金供給やコロナ対応の補助金により、経営体力に乏しい中小企業の休廃業発生を大きく抑制し、前年を下回る傾向が続いた。一方で、2022年11月に「サクマ式ドロップス」で知名度の高い佐久間製菓(東京)が、今年1月20日をもって廃業すると発表。原材料価格の高騰などでダメージを受ける企業が多いなか、先行きを見据えて体力のある健全企業が先行して事業をたたむ兆しもみられる。


■帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計
■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称
■調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計することもある

調査結果

  1. 2022年の熊本県での休廃業・解散件数は586件、前年から74件減少
  2. 「黒字」休廃業は過去最低の56.1%、収益力低下の企業で「あきらめ」加速の可能性も
  3. 高齢代表の休廃業加速、平均年齢は過去最高の70.8歳
  4. 32の都道府県で前年から減少、最も減少率の大きい県は「青森」
  5. 「卸売」「運輸・通信」「不動産」の3業種で増加、4業種で減少
  6. 「卸売」の休廃業・解散率は全業種中で最高
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