レポート事業継続計画(BCP)に対する近畿企業の意識調査(2021年)

策定率15.8%、中小から「優先順位低い」の声 ~ 金融、製造で高く、不動産、卸売、サービスは低水準 ~

2021/06/16
BCP  アンケート

はじめに

2021年は、東日本大震災から10年が経過した節目の年に当たる。また、2018年6月18日に発生した大阪府北部地震から丸3年がたつ。それ以外にも台風や地震などの自然災害は各地で相次ぎ、さらに新型コロナウイルスの感染拡大やサイバー攻撃の増加など、企業活動に影響を及ぼすリスクは山積している。そうしたリスクを事前に想定し、発生後の対応措置などを事前に準備しておくことは、事業の継続のみならず企業価値の維持や向上の観点からも欠かせない。

そこで、帝国データバンク大阪支社は、事業継続計画(BCP)に対する近畿企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年5月調査とともに行った。

■調査期間は2021年5月18日~31日、調査対象は3,934社で、有効回答企業数は1,893社(回答率48.1%)。なお、事業継続計画(BCP)に関する調査は、2016年6月以降毎年実施し、今回で6回目

調査結果

  1. 事業継続計画(BCP)を「策定している」と回答した企業の割合は15.8%(前年比0.1ポイント増)となった。過去最高となったものの、低水準で全国を下回った。規模別では、大企業は27.5%、中小企業は13.6%で大企業と中小企業の差は2倍以上となった
  2. BCPを『策定意向あり』とする企業のうち、事業継続が困難になると想定するリスクでは、「自然災害」(73.2%)がトップ(複数回答、以下同)。新型コロナウイルスなどの「感染症」(57.0%)は前年比減少したものの、「情報セキュリティ上のリスク」(31.0%)は増加し順位を上げた
  3. 既にBCP策定している企業にその効果を尋ねると「従業員のリスクに対する意識が向上した」が56.3%でトップ(複数回答、以下同)。次いで「事業の優先順位が明確になった」(34.7%)となった
  • 4 BCPを策定していない理由では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(39.0%)がトップ(複数回答、以下同)。次いで「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(30.1%)が3割を超えた。他にも人材不足や時間の確保などに課題を抱えており、中小企業を中心にBCP策定の余裕がなく、優先順位が低いことがうかがえた
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