レポートTDB景気動向調査2024年11月(近畿ブロック・概要)

2024/12/04
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

43.8

0

前月と変わらず、先行きは僅かに悪化

概況

当月の景気DIは秋の行楽需要に支えられた側面が強い。消費動向を映じやすい「食品」「繊維・アパレル」両分野は『製造』『卸売』『小売』の3業界とも悪化しており、物価高に伴う買い控え傾向が色濃く出ている。『製造』からは「自動車、半導体関連ともに低迷」(機械製造、奈良県)、「中国への出荷の勢いが弱まってきた」(電気機械製造、兵庫県)といった声も聞かれた。先行きについて、大阪・関西万博の開催が迫ってきているものの、日米とも新政権の政策実行に注目しつつ、しばらく様子見ムードによる小康状態が続く可能性がある。

景気DI

『近畿』は前月と変わらずの43.8。全国(44.4、前月比0.1ポイント増)との格差は▲0.6ポイントと、18カ月連続で全国を下回っている。ブロック別順位は前月と同じ5位だった。府県別では、観光のハイシーズンとなる「京都」「奈良」のほか、「大阪」が改善したが、「兵庫」「和歌山」の悪化幅が大きかった。

規模別DI

「大企業」は前月と変わらず。「中小企業」(前月比0.1ポイント増)は2カ月ぶりに改善した。規模間格差は5.4ポイントと、2024年に入って5ポイント以内となったのは3度しかない。多くの「中小企業」には円安が足かせとなっている様子がうかがえる。なお、「小規模企業」は6カ月連続で改善した。

業界別DI

インバウンドを狙った新店舗オープンが相次ぐなどでテナント収入が増えた『不動産』が改善。『運輸・倉庫』はコロナ禍以降の最高を更新し、『サービス』では「旅館・ホテル」が今年の最高となった。他方、『小売』は買い控え傾向の強まりから今年最低に。『建設』は戸建て住宅の販売・着工鈍化で3カ月ぶりに悪化した。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.2ポイント減)、「6カ月後」、「1年後」(同各0.1ポイント減)の3指標とも2カ月連続で悪化した。業界別では、4業界の先行き3指標が悪化。『小売』ではエリア外からの大規模格安販売店の進出増加、『製造』では米大統領交代に伴う政策変更への警戒感が高まった。

「近畿ブロック(2024年11月)」の詳細