はじめに
日銀のマイナス金利政策による超低金利の長期化が響き、金融機関にとって厳しい経営環境が続いている。上場地銀103行の2019年9月期中間決算(単体)では、6割超の66行が減益、5行が赤字となった。そのため、各金融機関では店舗の統廃合や人員削減を積極的に推し進めたコスト圧縮や、フィンテックなどIT化の推進、活動基盤の拡大に伴う越境融資など、生き残りに向けた施策を続けている。
こうしたなか、インターネット金融サービス大手のSBIホールディングスは「第4のメガバンク構想」を掲げ、第二地方銀行の島根・福島両銀行と資本業務提携を発表。従来、同一地域・県内での地銀同士による経営統合が主体だった地銀再編だが、ここに来て新たに異業態主導による再編の動きが加わった。企業が金融機関に求めるニーズが多様化するなか、地域金融サービスに新たな変革の風が吹くことも予想される。
■帝国データバンク神戸支店では、2019年11月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、特殊法人・個人事業主含む)をもとに、兵庫県内に本店を置く企業が「メインバンク」と認識する金融機関について抽出し、集計・分析した。また、一企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位と認識している金融機関をメインバンクとして集計した。同調査は2018年12月に続き17回目。なお、今回の対象企業数は前年より197社増加の5万1794社。
■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数と異なる場合がある。
調査結果
- 2019年の兵庫県内メインバンク社数トップは「三井住友銀行」となった。企業数は1万374社となり、調査開始以来17年連続でトップ。しかし、社数は前年比76社の減少で、シェアも0.22ポイント減の20.03%となった。
- 業態別にみると、3メガバンクを含む「五大銀行(都市銀行:三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)」のシェアは30.17%と前年を0.27ポイント下回った。一方、「地方銀行」は8.62%で、前年を0.41ポイント上回り、「信用金庫」も38.57%で、前年を0.10ポイント上回った。
- 地区別では10地区に分類した中で、阪神南、阪神北、中播磨、西播磨、淡路、丹波の6地区が前年同様、地元信用金庫がトップ。県内11信用金庫と信用組合は、依然として地元企業との親密度を高く保っている。

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