レポートWBCの定着とさらなる発展に期待する

2009/03/04
コラム

大和

3月5日、野球の国際大会であるワールドベースボールクラシック(WBC)の第2回大会が開幕する。前回は2006年3月に開催され、王監督率いる日本が初代チャンピオンとなった。


2006年は、2月にトリノ冬季オリンピック、6月にはサッカーワールドカップが開催され、国際的なスポーツイベントがデジタル家電を中心として世界的に企業の生産活動や個人消費を下支えした。


2009年は、今回開催されるWBCが最も大きなスポーツイベントである。しかし、これをきっかけとして個人消費が盛り上がっているわけではない。第1回大会がそうであったように、景気刺激というよりも、東アジア外交としての効果や問題点等に焦点があたってきた側面もある。


世界同時の景気後退が続くなかで、今後の好材料としては2010年に実施される冬季オリンピックやサッカーワールドカップのほうがよほど高い関心を集めていると言えよう。


WBCの次回開催は2013年で、今後はオリンピックやサッカーワールドカップと同様、4年ごとの開催となる予定である。オリンピックやサッカーほどとはいかないまでも、WBCも消費者マインドを含めて日本の景気を刺激する一大スポーツイベントとして定着して欲しい。


イチローをはじめとする選手たちの活躍はもちろんだが、スポーツをとおして現在の閉塞感漂う日本に、物心両面でのさまざまな波及効果が表れることを期待せずにはいられない。

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