レポート

価格転嫁に関する山形県内企業の実態調査(2024年2月)

価格転嫁率は38.2% 2023年夏から3.0ポイント後退 ~ 人件費などの上昇続き、価格転嫁追いつかず ~

はじめに

2024年の春闘において、大企業を中心に多くの企業で昨年を上回る水準の賃上げの流れが生まれている。帝国データバンク山形支店の調査1でも、2024年度の総人件費は平均2.80%増と試算し、今後の景気回復には継続的な賃上げが欠かせないとしている。一方で、高めた人件費を適正に商品・サービスへ転嫁することが難しいといった声もあがる。

加えて、長らく続く原材料価格やガソリン、電気代などのエネルギー価格の高止まりは、収益を圧迫し続けており、2023年の物価高倒産は全国で775件発生2。一部の価格転嫁だけでは包括できない状況も生まれていると言えそうだ。

そこで、帝国データバンク山形支店は、現在の価格転嫁に関する企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2024年2月調査とともに行った。価格転嫁に関する調査は2022年1月から開始し、今回で3回目。

■調査期間は2024年2月15日~29日、調査対象は山形県内302社で、有効回答企業数は129社(回答率42.7%)
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している

1 帝国データバンク山形支店「2024年度の賃金動向に関する山形県内企業の意識調査」(2024年3月14日発表)
2 帝国データバンク「全国企業倒産集計2023年報」(2024年1月15日発表)

調査結果

  1.   自社の商品・サービスに対しコストの上昇分を『多少なりとも価格転嫁できている』企業は79.8%と約8割
  2.   他方、「全く価格転嫁できない」企業は10.9%で依然として1割を超える
  3.   価格転嫁率は38.2%と2023年7月調査から3.0ポイント後退し、依然として6割超が企業負担
  4.   業種別の価格転嫁率は、『卸売』(53.8%)が5割を超えたが、『農・林・水産』(13.8%)では約1割しか価格転嫁ができていないなど、全体的に厳しいなかでも温度差がみられた
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