レポート上場企業のコミットメントライン契約動向調査(2020年1月~9月)

コミットメントライン契約締結165社 ~新型コロナ背景に件数4.7倍、契約額9.5倍に~

2020/10/28
資金繰り

はじめに

コロナ禍を背景に、上場企業の資金調達に関連した情報開示が増えている。上場企業では、現時点において新型コロナによる重大な影響を受けていなくても、今後の業績見通しの判断が難しい状況に置かれ、手元資金を厚めに確保しようとする動きが多くなっているようだ。資金調達の手段は様々だが、近頃上場企業の適時開示情報でよく目につくのが「コミットメントライン契約」の締結。同契約の特徴は、企業が金融機関と契約を結び「あらかじめ設定された期間」かつ「融資枠内」であれば審査なしで融資を受けられる約束(コミット)をする契約で、金利とは別に手数料がかかるものの、必要に応じたスムーズな資金調達が可能になるとともに、金融機関と当該企業の関係性を判断するひとつの指標となる。

帝国データバンクでは2020年1月1日から9月30日までの適時開示情報から、コミットメントライン契約の締結を公表した上場企業を集計した。

同様の調査は2020年8月26日に続き今回が2回目。

■コミットメントライン 一定期間において貸出極度を設定し、その範囲内であれば何度でも資金の借入・返済ができる融資形態


調査結果

  1. コミットメントライン契約の締結を公表した上場企業は、2020年1月1日から9月30日までに累計165社あることが判明。前年同期(35社)比4.7倍と急増している。また、165社のうち新型コロナの影響への備えが理由であると公表しているのは103社。公表月別に社数をみると、5月が最多
  2. 165社のコミットメントライン契約の総額は3兆1464億円で前年同期(3312億円)比9.5倍となった。新型コロナへの影響に備えるとした103社の契約金額は1兆6400億円
  3. 業種別に社数をみると、「サービス業」が43社(構成比26.1%)で最多。次いで「その他」38社(同23.0%)となった。契約金額は「製造業」(1兆4008億円)が最大となり、次いで「その他」(6666億円)となった
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