レポート

四国地区 価格転嫁に関する実態調査(2023年7月)

コスト100円上昇に対する売価への反映は46.7円 ~ 「全く価格転嫁できない」企業は14.5%、依然として1割を超える ~

はじめに

5月8日に新型コロナウイルス感染症が「5類」に分類され、4年ぶりに行動制限のない夏季シーズンに突入した。飲食店や旅館・ホテル、旅客輸送、イベント関係といったBtoC業種では、人出の増加やインバウンド需要の拡大により景況感は回復し始めた。また、半導体を含めた各種資材の不足も解消され始めたことで、生産活動を本格化させて、業績が持ち直した企業も増えつつある。
一方で、昨年から続く電気代やガソリン・軽油を含むエネルギー価格の高騰は、収益を圧迫するなど企業経営に陰を落としている。また、令和5年度の最低賃金が昨年度から43円引き上がり全国平均で「1,004円」となる見通しで、販売やサービスの値上げがなければ、中小企業へのさらなる負担増が予想される。帝国データバンクの集計では、価格転嫁を取引先から拒絶されたり、僅かな値上げしか認めてもらえず、結果的に経営破綻を余儀なくされた「値上げ難型」の物価高倒産は少なくとも23件(2023年1-7月)判明し、前年同期の12件に比べて倍増ペースで推移しているなど、価格転嫁が厳しい企業の倒産が目立っている。
そこで、帝国データバンク高松支店は、価格転嫁に対する四国地区の企業の見解について調査を実施した。


■調査期間は2023年7月18日~7月31日、調査対象は四国地区に本社が所在する1,171社で、有効回答企業数は380社(回答率32.5%)

調査結果

  1. 自社の主な商品・サービスにおける、コスト上昇分の販売価格やサービス料金への転嫁について四国の企業に尋ねたところ、『多少なりとも価格転嫁できている』企業は73.9%と7割強を占めたものの、「すべて転嫁」できている企業は3.9%にとどまる。また、販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率1」は46.7%
  2. 価格転嫁率を主要7業界別でみると、「卸売」が59.4%で最も高く、次いで「製造」(54.1%)、「小売」(48.0%)、「建設」(43.6%)が4割以上で続いた
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