レポート港湾運送会社365社実態調査

はじめに＞＞

我が国の太平洋岸の主要港湾は、今や世界の大動脈となった北米～中国間で最短の津軽海峡～日本海ルートから外れていることや、神戸港が阪神大震災で被災し、機能が低下したことなどから、韓国の釜山港に国内貨物が流出し、同港はアジアのハブ港として、その地位を高めている。
このため、国土交通省は、貨物の国外流出がリードタイムの増加や物流コストの上昇により、国民生活の水準低下や産業競争力の低下を招きかねないとして、「国際コンテナ戦略港湾」を２ヵ所選定することとなった。
帝国データバンクは、企業概要ファイル｢ＣＯＳＭＯＳ２｣(130万社収録)の中から、2007年～2009年の売上高、税引き後当期利益、資本金、所在地、設立（創業）年月が判明している港湾運送会社365社について調査分析を行った。同種の調査は今回が初めて。

◇ 「港湾運送会社」は、売上高のうち、港湾運送の業務が当該会社の収入の最大比率を占める会社。ただし、倉庫業など周辺物流業務と密接なため、売上高が最大の業種でなくても歴史的経緯から港湾運送業が主業と認められる会社を含む。
◇ 年売上高と利益は、その年の1月から12月までの間に決算した会社。単位は100万円。100万円未満は切り捨て
なお、一部で推測値を含む。また、12ヵ月未満の変則決算の売上高は年換算した。
◇ 設立（創業）年は、原則として法人格が成立した日としたが、歴史の旧い会社は営業を開始した年。

調査結果＞＞

港湾運送会社365社の2009年売上高合計は、約1兆7527億5700万円
港湾運送会社365社のうち、本店が最も多く所在するのは、神奈川県の48社。なお、東京都、大阪府、兵庫県が各40社あり、全体の約46.0％をこの4都府県で占めた。
2009年の港湾運送会社365社の売上高合計は、対前年比7.4％減の約1兆7527億5700万円。なお、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県が本社企業の売上高合計は、約1兆1120億9800万円と全体の約63.4％、税引き後利益が合計約223億500 万円と全体の約77.0％を占めた。
港湾運送会社 365社の資本金額合計は、942億3645万7000円。資本金1億円未満の企業が大半を占めた。
港湾運送会社 365社の平均業歴は59年。設立が旧い会社ほど、売上高も多い。