はじめに
国内出版市場の縮小が続いている。書籍・雑誌ともに厳しい環境が続いているが、特に、雑誌を取り巻く環境悪化に歯止めがかからず、販売部数、広告収入ともに大きく低迷。最近では『漫画サンデー』や『日経WinPC』など、休刊に追い込まれる雑誌が後を絶たない。
帝国データバンクは、2010~2012 年度の業績が2013 年9 月時点で判明している出版社(TDB産業分類コード:27201、出版業)、出版取次業者(同:41741、書籍卸売業)、書店経営業者(同:49401、雑誌・小売業)の計1167 社を自社データベース・企業概要ファイル「COSMOS2」(144万社収録)から抽出し、分析した。なお、同様の調査は2010 年11 月1 日に続き2 回目。
調査結果(要旨)
1. 出版社の2012 年度売上高トップは、(株)集英社の約1260 億9400 万円。売上上位10 社中7社が「減収」となるなど、販売減に歯止めかからず。他方、損益面を見ると、2012 年度の「黒字企業」は518 社(79.2%)と、不動産売却や赤字部門縮小等で収益確保する出版社が目立つ
2. 取次業者の2012 年度売上推移を見ると、売上上位8 社中6 社が「減収」。このうち、4 社が「2 期連続減収」となった。他方、損益面では2012 年度の「黒字企業」は178 社(84.0%)と全体の8 割超。在庫管理の徹底や物流の効率化進む
3. 書店経営の2012 年度売上高トップは、(株)紀伊國屋書店の約1081 億9000 万円。売上31 位以下では「2 期連続減収」の構成比が46.5%にのぼるなど、小規模業者ほど売上減が顕著。損益面でも、小規模業者は大手・中堅クラスに比べて厳しい状況

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