レポート

神奈川県「後継者不在率」動向調査(2022年)

「後継者不在」66.2%、初めて70%を下回る ~「内部昇格」「M&Aほか」が増加、「脱ファミリー」化が加速 ~

はじめに

地域の経済や雇用を支える中小企業。しかし、近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多い。日本政策金融公庫の調査では、60歳以上の経営者のうち50%超が将来的な廃業を予定。このうち「後継者難」を理由とする廃業が約3割に迫る。

後継者が不在であるなか、新型コロナウイルスによる業績悪化などが追い打ちとなり事業継続を断念する事例も想定され、その回避策としての事業承継支援が今まで以上に注目されている。中小企業庁は2022年3月、従業員承継や第三者承継(M&A)、「引き継ぎ手」により焦点を当てた「事業承継ガイドライン」を新たに改定、円滑な事業承継に向けたサポートを進めている。

■帝国データバンク横浜支店は、信用調査報告書ファイル「CCR」(190万社収録)など自社データベースをもとに、2020年10月-22年10月の3年を対象として、事業承継の実態について分析可能な約1万3000社(神奈川県・全業種)における後継者の決定状況と事業承継動向について分析を行った

調査結果

  1.   2022年の神奈川県・全業種約1万3000社の後継者不在率は66.2%となり、コロナ前の2019年からは6.2pt、21年の不在率70.4%からも4.2pt低下し、5年連続で低下した。また、調査を開始した11年以降、後継者不在率は初めて70%を下回った。一方で、全国平均(57.2%)を上回る状態が続いており、全国で6番目の高水準となっている
  2.   業種別では、全業種で前年を下回ったが、いずれの業種も全国平均を上回った。不在率が最も高いのは建設業(71.9%)で、3年連続トップとなった
  3.   先代経営者との関係性(就任経緯別)をみると、2022年の事業承継は血縁関係によらない役員などを登用した「内部昇格」が37.0%となり、全項目中最も高かった。一方、「同族承継」により引き継いだ割合が25.9%にとどまり、親族間の事業承継割合が急減した。買収や出向を中心にした「M&Aほか」の割合が24.8%と引き続き増加傾向を示しており、脱ファミリーの動きが鮮明となっている
  4.   後継候補が判明した神奈川県の約4300社の後継者属性をみると、「非同族」が最も高い40.4%で、前年を1.2pt上回った。一方、「子供」の割合は32.4%で、前年から2.6pt低下し、承継を受けた社長の先代経営者との関係別(就任経緯別)で、特に子供を後継者とする傾向が強い創業者・同族承継で後継者を「子供」とする割合が低下したことが影響した。ファミリー企業でも脱ファミリー化へ舵を切る動きが強まっている
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