レポートTDB景気動向調査2024年4月(北関東ブロック・茨城県)

景気DI

前月比

今月の特徴

42.3

▲ 0.1

2カ月連続で悪化

概況

4月の景気DIは前月比0.1ポイント減の42.3となり、2カ月連続で悪化。「43」を挟んだ一進一退が続くなか、直近1年間では最も低い水準まで落ち込んでおり、企業マインドの低調さが浮き彫りとなっている。今後は「2024年問題」への対応が進むとみられ、コスト増が顕在化してくると思われる。原材料、エネルギー高も避けられない状況下、「労働時間短縮で売上が落ち込む一方、人件費の高騰が予想される」といった企業の声にもあるように、景況感の改善には中小企業の価格転嫁、賃上げによる個人消費の拡大が大前提となろう。

景気DI

「茨城」の景気DIは前月比0.1ポイント減の42.3となり2カ月連続で悪化。「43」を挟んだ足踏みの状態が続き「全国」(44.1)を1.8ポイントも下回る。下がる気配を見せない原材料、エネルギー価格に対する先行きの不透明感、「2024年問題」を背景とした人件費など費用負担の増加懸念が足かせとなった。

規模別DI

「大企業」は前月比0.5ポイント増の43.1となり2カ月ぶりの改善。一方、「中小企業」は同0.2ポイント減の42.2、「小規模企業」も同0.2ポイント減の42.1となり、いずれも2カ月連続の悪化。「中小企業」「小規模企業」は物価高に対し、価格転嫁が思うように進まないなかでの収益力悪化がマイナス要因。

業界別DI

『その他』を除く9業界中『金融』『製造』『不動産』の3業界が悪化。改善したのは『農・林・水産』『小売』など6業界。悪化幅が一番大きかった『金融』は物価高騰により実質賃金の改善が見込めず消費意欲の後退を懸念。『製造』は大手メーカーの生産調整による受注減見通し、『不動産』は住宅需要の減少が悪材料となった。

先行き見通しDI

「茨城」の先行き見通しDIは強弱まちまち。「3カ月後」43.6、「1年後」46.8は前月を上回ったのに対し、「6カ月後」45.1は前月を下回る結果となった。企業からは「為替、地政学的要因、政治など不透明要因が多い」「取引先で在庫調整が行われる予定」など、先行きを厳しくみる声が依然として多く聞かれる。

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