レポートTDB景気動向調査2024年12月(近畿ブロック・概要)

景気DI

前月比

今月の特徴

44.2

0.4

3カ月ぶりに改善、 『建設』『不動産』が押し上げる

概況

年末商戦の消費活性で、食品や繊維・アパレル、家電分野に好影響がもたらされた。インバウンドもプラスに作用している。一方で、「仕入れ価格が高騰するなか、価格転嫁がスムーズに行えていない」(飲食料品卸売、大阪府)との声が際立つように、物価高が景気上昇の妨げとなっている。人手不足や賃上げ圧力による収益圧迫も厳しさを増している。先行きについても、トランプ米大統領就任後の政策による為替や関税の面での影響に加え、中国経済低迷や金利上昇に対する警戒感が高まっている。当面は足踏み状態での推移となる見通しだ。

景気DI

『近畿』は前月比0.4ポイント増の44.2と、3カ月ぶりに改善した。依然として全国(44.5、同0.1ポイント増)を下回るが、格差は▲0.3ポイントに縮まった。ブロック別順位は『中国』『東海』を抜いて3位に浮上(前月は5位)。府県別では、悪化した「京都」、横ばいの「奈良」を除く4府県が改善した。

規模別DI

「大企業」(前月比1.0ポイント増)は2カ月ぶりに改善し、2019年4月(49.4)以来の高水準に。「中小企業」(同0.2ポイント増)も2カ月連続で改善したが、「大企業」の改善幅が大きく、規模間格差は2024年5月などと並んで過去最大まで広がった。なお、「小規模企業」は7カ月連続で改善した。

業界別DI

補助金縮小で燃料価格上昇の影響を受けた『運輸・倉庫』のほか、人手不足が課題となっている『サービス』など4業界が悪化した。他方、インバウンド向けホテルや商業ビルなどの建築が活発化する『建設』はコロナ禍以降の最高を更新し、『不動産』は50台に回復。年末商戦が追い風となった『小売』も40台に回復した。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.4ポイント増)は3カ月ぶり、「1年後」(同0.3ポイント増)は4カ月ぶりに改善した。「6カ月後」は前月と変わらず。府県別では「大阪」「和歌山」、業界別では『卸売』『小売』の先行き3指標がそれぞれ改善した。

「近畿ブロック(2024年12月)」の詳細