レポート【チャイナリスクと日本企業】(株)伊藤忠総研

中国経済の成長鈍化はむしろ既定路線。それでも可能性に変わりはない

2019/06/29
海外  インタビュー

中国事業に積極的に取り組む伊藤忠商事。そのシンクタンク部門として、マクロ経済分析や北米・アジア・欧州など海外情勢の情報収集を行うのが、株式会社伊藤忠総研だ。

中国については、12か所の拠点から得られる現地情報も活用し、経済・産業動向の分析を行っている。そのチーフエコノミストである武田 淳氏に、中国経済の動向および日本企業のとってのリスクとチャンスについて聞いた。

ー米中間の対立がエスカレートしています

米国による制裁関税が第3弾で打ち止めとなれば、影響は限定的なものにとどまったでしょう。中国政府の景気対策や半導体業界の循環的回復にともなって、中国経済は回復傾向をたどると考えられました。

しかし、第4弾の関税が発表通りの内容で発動されれば、中国の輸出減速は避けられません。中国に対米輸出製品の生産拠点を設けている企業は体制の見直しを強いられるでしょう。中国への設備投資は滞り、経済は後退局面を迎える可能性を否定できません。

ー6月のG20で米中首脳会談が行われると言われています

閣僚同士による事前交渉がある程度まとまれば、そうなるでしょう。しかし、第3弾関税の悪影響が米国に出始めるのは7月頃とみられるので、それまで進展はないかもしれません。

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