景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
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46.4 | 2 | 2カ月連続の改善 |
概況
原材料価格や電気料金の高騰、人手不足が県内企業の収益を圧迫しており、県内の経済は今後の価格転嫁が鍵を握る。そうしたなか、福井県の景況感は新型コロナ感染拡大以降で最高値を記録し、ようやくコロナ禍前の水準へと回復。新型コロナ5類感染症への移行で人流回復に伴う経済正常化が加速するほか、2024年春の北陸新幹線敦賀延伸の開業を控え、気運も上昇。県内企業からは「新幹線開業を控え堅調」(械器具卸売、小規模企業)との声も聞かれ、下振れ要因を抱えつつも緩やかな回復傾向が続くとみられる。
景気DI
「福井」(46.4)は前月比2.0ポイント増と2カ月連続改善。コロナ禍以降の最高値を記録しコロナ前の2019年4月(47.0)に次ぐ水準となった。原材料価格や電気料金の高騰が企業収益を圧迫したものの、3年ぶりの行動制限のないGW等の人流回復で幅広い業界で改善。県別順位は13位(前月21位)。
規模別DI
大企業(51.9、前月比6.3ポイント増)、中小企業(45.3、同1.1ポイント増)、小規模企業(46.3、同1.9ポイント増)と3指標すべてが3カ月ぶりに改善。大企業が景況感の節目となる50を上回るのはコロナ前の2019年7月(50.9)以来、小規模企業もコロナ禍以降の最高値を記録。
業界別DI
比較可能な8業界中4業界が改善、3業界が悪化。北陸新幹線開業に向けた経済活動の波及効果が『建設』や『製造』『卸売』の景況感を改善。反面、燃料や電気料金の高騰、物価高が『小売』(31.0)、『運輸・倉庫』(25.0)を直撃、小売は2022年7月以来の水準に落ち込み、運輸・倉庫は全業界の最低値を記録。
先行き見通しDI
3カ月後(46.4、前月比1.4ポイント増)、6カ月後(48.4、同3.4ポイント増)、1年後(47.1、同0.4ポイント減)。新型コロナ5類移行に伴う人流回復や経済正常化が当面の景況感を押し上げたが、欧米経済の景気後退やウクライナ紛争の長期化によるリスクを背景に1年後は低迷するとみている。