景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
|---|---|---|
44.4 | ▲ 0.5 | 5カ月ぶりに悪化 |
概況
新幹線開業効果よりも円安を背景とする原材料や仕入価格の高止まりがメーカーを直撃。企業からの声では、輸出で好調が続いた建設機械部品メーカーでさえ、「欧州等の景気減速と在庫調整により受注減に転じた」（中小企業）、「物価高を背景とする個人消費の低迷でコロナ前の水準に届かない」（専門商品・婦人服小売）、「工事発注量の減少」（建設、大企業）などの声が聞かれる。実質賃金上昇への期待が膨らむなか、今後の景況感は個人消費が鍵となり、一進一退が続くとみる。
景気DI
「福井」（44.4）は前月比0.5ポイント減と5カ月ぶりに悪化。円安を背景に原材料価格が高騰し仕入値の高止まりが続き、『建設』『製造』『小売』の景況感が悪化し全体を押し下げた。ただ新幹線開業効果で3カ月連続で全国を上回り、県別順位は9位（前月10位）。
規模別DI
「大企業」47.7（前月比1.3ポイント増）、「中小企業」43.6（同0.9ポイント減）、「小規模企業」44.3（同2.5ポイント減）と4月に続き大企業のみが改善。自動車や半導体業界の復調で大企業は2カ月連続改善。一方、中小企業と小規模企業は仕入価格の上昇分を価格転嫁できず2カ月連続悪化。
業界別DI
比較可能な8業界中4業界が改善、4業界が悪化。『建設』は資材価格の上昇を背景に建設費用が高騰、住宅着工件数が低下し景況感は悪化。『製造』は仕入価格の上昇分を価格転嫁できず2022年8月以来の30台、『小売』は物価高から消費者の購買需要は鈍く2カ月連続悪化。
先行き見通しDI
3カ月後（45.6、前月比0.1ポイント増）、6カ月後（45.5、同1.0ポイント減）、1年後（45.0、同1.2ポイント減）。足下の景気こそ改善見通しだが、時間の経過とともに新幹線開業効果が薄れ、1年後には最も悪化するとみている。