レポート第21回兵庫県メインバンク調査

姫路信用金庫が企業増加数で最多 ~ メガバンクの企業数・シェア減少続く ~

2023/12/21
資金繰り  金融

はじめに

金利上昇局面で金融機関が保有する国内債券や外国債券、投資信託などの価格が下落、含み損が拡大している。今年9月末時点で全国の地方銀行が抱える含み損は約2兆9000億円に膨らんでいることから、金融機関によってはリスクテイク力の低下による投融資機会の損失など今後の事業戦略に重大な影響を及ぼす懸念もある。

このようななか本業の融資業務においてはポストコロナにおける中小企業の経営再建などの出口戦略に加え、事業承継、SDGsやDX対応など地域金融機関に求められる役割がより一層増している。各金融機関の含み損の処理に格差がみられるなか、ポストコロナにおける事業戦略・地域戦略の違いも徐々に表れつつあり、中長期的な視点で俯瞰するとメインバンクシェアの動向にも変化の兆しが垣間見える。

■帝国データバンク神戸支店では、2023年11月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、特殊法人・個人事業主含む)をもとに、兵庫県内に本店を置く企業が「メインバンク」と認識する金融機関について抽出し、集計・分析した。また、一企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位と認識している金融機関をメインバンクとして集計した。同調査は2022年12月に続き21回目。
なお、今回の対象企業数は前年より123社増加の5万1800社
■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数と異なる場合がある

調査結果

  1. 2023年の兵庫県内メインバンク社数トップは「三井住友銀行」となった。企業数は9905社(前年比70社減)となり、調査開始以来21年連続でトップを維持した。2位の「みなと銀行」は6367社(同14社増)。
    増加数でトップとなったのは「姫路信用金庫」で45社。一方、減少数が目立ったのはトップを維持した「三井住友銀行」をはじめメガバンク3行だった
  2. 地区別では10地区に分類した中で、阪神南、阪神北、中播磨、西播磨、淡路、丹波の6地区において、前年同様、地元信用金庫がトップ。県内11信用金庫と信用組合は、依然として地元企業との親密度を高く保っている
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