レポート事業承継に関する神奈川県内企業の意識調査(2021年8月)

後継者への移行期間、「3年以上」が半数超 ~ 業界別では「建設業」「運輸・倉庫業」の長期化目立つ ~

2021/09/22
社長・後継者  アンケート

はじめに

企業経営者の高齢化が進んでいる。また、神奈川県の後継者不在率は2020年時点で72.3%(帝国データバンク横浜支店「神奈川県『後継者不在率』動向調査」2021年1月発表)となり、後継者不在による事業承継問題はこれまで以上に顕在化している。他方、政府は2021年度予算に事業承継支援として100億円近くを計上し、事業承継とM&A支援をワンストップで行う体制を4月より開始した。政府主導で企業に対して積極的に働きかけるプッシュ型のサポートを中心に、支援策は一層推し進められている。

帝国データバンク横浜支店は、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年8月調査とともに行った。

■調査期間は2021年8月18日~31日、調査対象は神奈川県所在の1,196社で、有効回答企業数は521社(回答率43.6%)。なお、事業承継に関する調査は2021年5月に続き、今回で4回目

調査結果

  1. 事業承継を行う際の後継者への移行期間を尋ねたところ、「3年以上」を要する割合は53.3%と半数超にのぼった。内訳をみると「3~5年程度」が29.0%で最も高く、「6~9年程度」が13.6%で続いた
  2. 後継者への移行期間を規模別にみると、3年以上かかる割合では「大企業」は40.4%だった。一方で、「中小企業」では55.1%、「小規模企業」では63.5%で高水準となり、全体の割合(53.3%)を上回った
  3. 後継者への移行期間を業界別にみると、3年以上かかる割合では『建設』が62.0%で最も高く、内訳の「6~9年程度」においても同様の傾向が表れた。次いで『運輸・倉庫』(59.4%)、『製造』(57.5%)、『卸売』(54.0%)が続き、一方で、『小売』(36.4%)や『金融』(33.3%)では他業界と比較すると割合は低かった
  4. 2020年2月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会情勢が大きく変わるなか、事業承継に対する意識に変化があったか尋ねたところ、「特に変化なし」とした企業は80.8%だった。それに対して、「事業承継の時期を前倒し」(3.8%)や「事業承継の時期を延期」(5.2%)といった「意識が変化した」企業は10.4%だった
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 横浜支店 TEL:045-641-0380 FAX:045-641-0350