はじめに
東京都内で2017年8月1日から21日まで実に21日連続で降雨を記録。レジャー需要が盛り上がるお盆期間も関東地方では日照時間が短く、天候不順に見舞われた。
8月23日は「処暑」にもかかわらず、東京都内で9日以来、2週間ぶりの猛暑日となった。今後の天候は流動的であるものの、8月前半の天候不順が企業活動にどのような影響を及ぼすのか、過去の“冷夏”を振り返り探っていく。
調査結果
- 気候データ
過去の気候データを遡ると、過去30年間で7~8月の2カ月間の平均気温が最も低かったのは1993年(23.7℃)、次いで2003年(24.4℃)。また8月の日照率・日照時間ともに低水準で(93年日照率:24%、2003年日照率:31%)、この2年は一般的に“冷夏”だったといわれる。 - 93年の企業業績は
93年9月~94年8月に決算期を迎えた企業の業績を前年と比較したところ、夏物衣料が苦戦した影響か、「繊維・繊維製品・服飾品卸売業」の減収企業は構成比が59.3%と全業種(同47.6%)より11.7ポイント上回り、「繊維・繊維製品・服飾品小売業」は同54.1%と6.5ポイント上回った。 - 冷夏の影響を受けた倒産事例
倒産事例を見ても、アイスクリームなど冷菓や酒類を扱う「食品」をはじめ、「アパレル」「家電」関連企業があがった。 - 企業の声
今年は関東甲信の梅雨明けが平年より2日早いこともあって7月の東京の平均気温は27.3℃と昨年(25.4℃)より1.9℃高く、日照率は2003年以降で最も高い43%を記録したことから、「冷夏」と呼ぶには農作物やその他の資料を待ちたいが、「キャンプ用品や海関連のレジャー用品の売り上げに影響が出ている」(スポーツ量販店)など、記録的な連続降雨の影響が今後、夏商材を扱う企業業績に影響が表れる懸念は否定できない。
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