レポート事業承継に関する埼玉県企業の意識調査(2020年)
企業の66.0%が事業承継を経営上の問題と認識 ~ 事業承継を行う上での苦労は「後継者の育成」が最多 ~
はじめに
中小企業庁が2017年7月に事業承継支援の集中実施期間とする「事業承継5ヶ年計画」を策定してから3年が経過した。新型コロナウイルスの影響拡大により倒産や休廃業の増加も懸念されるなか、その回避策としての事業承継は今まで以上に注目されている。また、政府は中小企業の経営資源の引き継ぎを後押しするため、「経営資源引継ぎ補助金」を実施するなど、円滑な事業承継に向けて積極的な支援が行われている。
帝国データバンク大宮支店は、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年8月調査とともに行った。
■調査期間は2020年8月18日~31日、調査対象は埼玉県内の企業931社で、有効回答企業数は459社(回答率49.3%)。なお、事業承継に関する調査は、2017年10月以来、今回で2回目
調査結果
- 事業承継への考え方について、「最優先の経営上の問題と認識している」企業が11.1%となり、「経営上の問題のひとつと認識している」(54.9%)と合わせると66.0%が事業承継を経営上の問題として認識している。「経営上の問題として認識していない」は22.7%、「分からない」は11.3%
- 新型コロナウイルスを契機とした事業承継に対する関心の変化を尋ねたところ、「変わらない」とした企業が76.9%で大半を占めており、「高くなった」企業が7.2%で、「低くなった」とする企業は4.1%となった
- 事業承継の計画の有無について、「計画があり、進めている」企業は17.2%、「計画はあるが、まだ進めていない」は20.7%となり、企業の37.9%が事業承継計画を有している。一方、「計画はない」とする企業も同率の37.9%となった。また、社長年齢が高くなるにつれて計画を有している企業の割合が高くなる傾向に
- 事業承継を行う上で苦労したことでは、「後継者の育成」が55.4%で最も高い(複数回答、以下同)。また、苦労しそうなことに関しても「後継者の育成」が57.2で最も高くなった。このほか税制面に関する懸念事項も上位にあがった
- 近い将来(今後5年以内)、事業承継を行う手段として「M&Aに関わる可能性がある」企業は34.9%、「M&Aに関わる可能性はない」が40.1%。規模別では、「大企業」に比べ「中小企業」の方が割合が高くなった
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