レポート温室効果ガス排出抑制に対する埼玉県企業の意識調査

温室効果ガスの排出抑制、取り組む企業は84.1% ~ 2050年カーボンニュートラル目標には4割超が「達成は困難」と予想 ~

はじめに

政府は「2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ」を目標に掲げた。2021年度税制改正大綱や総合経済対策に「脱炭素」や「カーボンニュートラル」に関する項目が盛り込まれるなど、企業への支援策が積極的に打ち出されている。また、世界的な機運の高まりを受けて、政府や自治体のみならず民間企業においても取り組み目標を掲げる動きが現れており、それぞれの対応が今まで以上に注目されている。

帝国データバンク大宮支店は、温室効果ガスの排出抑制や削減に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年12月調査とともに行った。

■調査期間は2020年12月16日~2021年1月5日、調査対象は埼玉県内企業937社で、有効回答企業数は428社(回答率45.7%)

調査結果

  1.   温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいる企業は84.1%にのぼった。業界別では『金融』『小売』などが高い。また、取り組み内容について尋ねたところ、「省エネ」が44.2%で最も高い(複数回答、以下同)。次いで「クールビズの実施(ウォームビズ含む)」(38.1%)や「ハイブリッド車、電気自動車の導入」(34.3%)が続いた
  2.   温室効果ガスの排出抑制に取り組む目的では、電気料金などの「コストの削減」が58.9%でトップだった(複数回答、以下同)。次いで「法令順守」(51.7)、「CSR(企業の社会的責任)の一環」や「SDGsへの対応」など、自社に対する外部の目(企業としての見られ方)に関する項目では大企業で割合が高く、「資格や認証の取得」、「ステークホルダーとの良好な関係の構築」においても同様の傾向がみられる
  3.   温室効果ガスの排出抑制への取り組みにおける課題では、「他に優先すべき項目がある」が33.6%で最も高い(複数回答、以下同)。次いで、「主導する人材(部署)がいない」(29.2%)、「どこまで取り組めばいいのかわからない」(29.0%)、「取り組むためのノウハウやスキルがない」(28.5%)が続く
  4.   政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標に対して、日本全体における達成可能性を尋ねたところ、企業の14.7%が「達成可能」と考えていた。一方で、「達成は困難」とした企業は44.9%にのぼり、「達成できない」は18.0%だった。企業からは、取り組み目標や具体的な進め方など、その中身について説明を求める意見が多くみられる
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