レポート特別企画 :長野県内民事再生法申請企業の動向・追跡調査

申請企業の累計は109件、近年は減少傾向 ~ 破産に移行した企業は28件、4分の1以上が再生叶わず ~

2015/08/26
倒産・休廃業

はじめに

2000年4月に施行されてから15年以上が経過した民事再生法。再建型法的整理手続きとして定着し、長野県内で年間10件以上の企業が同法の適用を申請することも珍しくなかった。申請企業の累計は2012年に100件を突破している。

民事再生法の開始決定要件は、「企業に破産の原因たる事実(債務超過、支払不能など)の生ずるおそれがあること」「企業が事業の継続に著しい支障を来すことなく、弁済期にある債務を弁済することができないこと」。このいずれかに該当すると、基本的に裁判所は手続き開始を決定するが、この要件にあるように民事再生法は早期申請・早期再生を目指した制度である。一方、同法の適用を受けたからといってそれで再生が果たせるわけではない。今年に入ってからも、再生手続きが終結していた企業や再生計画遂行中の企業が破産手続き開始決定を受けるケースが複数発生している。

帝国データバンクでは、法施行以来民事再生法の適用を申請した県内企業に焦点を当て、申請企業の動向を分析するとともに、申請・適用後の状況も追跡し、検証した。

調査結果

申請企業の累計は109件、直近5年間は1年平均3.4件と大幅に減少

2000年4月から2015年7月までに民事再生法の適用を申請した県内企業は109件に達した。年度ベースでみると、年間10件以上が4回(最多は13件)。5年ごとに区切ると、「2000~2004年度」「2005~2009年度」がともに46件だったのに対し、「2010~2014年度」は17件(1年平均3.4件)にとどまっており、近年の減少傾向が明らかとなる。

業種別では「製造」が38.5%で最多、負債別では「10億円以上」が53.2%

109件を業種別にすると、「製造」が42件(構成比38.5%)で、地区別では「北信」が31件(同28.4%)で最多。負債別では、「10億円以上」が58件で全体の53.2%を占めた。

全体の4分の1以上が破産手続きへ移行、厳しい現実が浮き彫りに

申請企業109件のうち、再生が叶わなかった企業も少なくない。経緯は様々だが、最終的に破産手続き開始決定を受けたことが確認できたのは28件(構成比25.7%)で、全体の4分の1以上に達している。なお、業種別では「建設」が申請企業21件に対し、破産へ移行した企業が12件。構成比は57.1%と6割近くに及んでいる。

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