はじめに
2014年(4件)、2015年(4件)、2016年(2件=9月末時点)と続いている金融庁の監査法人に対する処分は、それら監査法人のクライアントになっている上場企業の実態を知るうえでの重要な事実となるとともに、クライアント企業の信用にも大きな影響を与える。そうしたなか、上場企業の会計監査を行っている監査法人の異動状況はどのようになっているのだろうか。
帝国データバンクは2016年(1月~9月)に会計監査人(監査法人)の異動を適時開示した国内上場企業について、株式市場や監査法人の名称、異動理由について調査した。監査法人の異動に関する調査は2016年3月に次いで今回が3回目。
■2016年1月~9月の間に「監査法人」「会計監査人」「会計士」「公認会計士」のいずれかのキーワードを含んだ異動に 関する適時開示を行った国内上場企業を対象とした<上場投資信託(ETF)の適時開示(2件)はカウントから除外>
■(1)退任予定の会計監査人名、(2)就任予定の会計監査人名(または一時会計監査人名)、(3)異動予定日の3点が記載 された適時開示が行われた時点でカウントの対象とした(就任日の記載が無い会計監査人が内定した旨の適時開示は カウントから除外)
■既存の会計監査人の合併に伴う異動の適時開示もカウントの対象とした
■会計士事務所の異動もカウントの対象とした
調査結果
- 2016年の1月~9月に監査法人の異動を開示した上場企業は131社となり、株式市場別に見ると「東証JASDAQ」が41社(構成比31.3.%)で最多となった
- 就任した社数が最も多かった監査法人は、監査法人の吸収合併により就任企業が増加した「明治アーク監査法人」(21社)。一方、退任した社数が最も多かった監査法人は、東芝の不適切会計問題で金融庁より処分を受けた「新日本有限責任監査法人」(39社)
- 異動理由では「契約の任期満了」が78社(構成比59.5%)で最多となったほか、「監査法人より継続不可の申し出など」の特殊要因が21社(同16.0%)あった
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