レポート事業承継に関する大分県企業の意識調査(2020年)

企業の65.7%が事業承継を経営上の問題と認識 ~新型コロナを機に事業承継への関心が高まった企業は14.5%に~

はじめに

中小企業庁が2017年7月に事業承継支援の集中実施期間とする「事業承継5ヶ年計画」を策定してから、3年が経過した。新型コロナウイルスの影響拡大により倒産や休廃業の増加も懸念されるなか、その回避策としての事業承継も今まで以上に注目されている。また、政府は中小企業の経営資源の引継ぎを後押しするため、「経営資源引継ぎ補助金」を実施するなど、円滑な事業承継に向けて積極的な支援が行われている。

そこで、帝国データバンクは、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年8月調査とともに行った。

■調査期間は2020年8月18日~31日、調査対象は大分県内168社で、有効回答企業数は76社(回答率45.2%)。なお、事業承継に関する調査は、2017年10月以来、今回で2回目

調査結果

  1. 事業承継への考え方について、「最優先の経営上の問題と認識している」企業が11.8%となり、「経営上の問題のひとつと認識している」(53.9%)と合わせると65.7%が事業承継を経営上の問題として認識している。「経営上の問題として認識していない」は21.1%、「分からない」は13.2%だった
  2. 新型コロナウイルスを契機とした事業承継に対する関心の変化を尋ねたところ、「変わらない」とした企業が69.7%で大半を占めており、「高くなった」企業が14.5%で、「低くなった」とする企業はなかった
  3. 事業承継の計画の有無について、「計画があり、進めている」企業は19.7%、「計画はあるが、まだ進めていない」は22.4%となった。企業の42.1%が事業承継計画を有している一方で、そのうち約半分は進めていなかった。また、事業承継を経営上の問題と認識している企業や、社長年齢が高い企業ほど事業承継を計画している傾向が高い
  4. 事業承継を行う上で苦労したことでは、「後継者の育成」が54.2%で最も高い(複数回答、以下同)。また、苦労しそうなことに関しても「後継者の育成」(54.8%)、「後継者の決定」(42.9%)が上位となり、総じて後継者問題に関する懸念が上位にあげられている
  5. 近い将来(今後5年以内)、事業承継を行う手段として「M&Aに関わる可能性がある」企業は40.8%となった。規模別では「大企業」が12.5%、「中小企業」は44.1%と全体を上回り、「小規模企業」では36.7%となった
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